オーデマ ピゲがジェムセッティングした数々の新作ロイヤル オークを紹介。

オーデマ ピゲは今週、ホワイトゴールドにパヴェ(ダイヤモンド)をセッティングした新しい「ジャンボ」 エクストラ シンを発表した。イエローゴールドにイエローサファイアをあしらったバージョンもリリースされたが、それをこっそり見ることができる機会はなかった(レインボー一式も見られる機会を待っているが、現時点では、おそらく実現することはないだろう。はあ)。

APジャンボ ダイヤモンド
オーデマ ピゲはその後、さまざまなサイズのブリリアントカットダイヤモンド(これはジュエリー用語でスノードロップセッティングと呼ばれる)で覆われたピンクゴールド製およびWG製の34mm径と37mm径の、ふたつのオートジュワイユリーモデルを発表し、とても歓迎するべき民主的なことを行った。

34mmのAP、スノードロップセット
このジャンボは18KWG製で、それを1528個ものブリリアントカットダイヤモンドで装飾。なかにはCal.7121を収める。

34mmは、このサイズでは初となるフルジェムセッティングされた時計でもある。下の写真の時計に使われた宝石の総数は、ブリリアントカットダイヤモンド2255個(約6.6カラット)で、スノードロップセッティングされたダイヤモンドがたくさんある。つまり、この時計は基本的に白昼でも光っているということ。搭載されるムーブメントはCal.5809だ。

マライカの手首に巻いたAP
我々の考え
ル・ブラッシュからリリースされる豪奢なセットは、いつも特別な出来事のように感じられる。私の現実との関連性はほとんどないが、精神的には重要なイベントのひとつだ。王室の結婚式とか、あるいは1900年代に生きていたら社交界デビューの舞踏会とか。上品でキラキラしていて、見ていて楽しい。私にとっては小さな希望の光だ。

Both Royal Oak gem set
私は両方をつけてみたが、当然のことながら私の反応は“これを手首から外させないで欲しい”というものだった。私には新しいアイデンティティがあり、それはすべてこの時計に関係している。偶然にもビジネスクラスにアップグレードされ、2度とエコノミークラスで搭乗できない人のように。私は大きな影響を受けた。

ローズゴールドは嫌いだとは何度も言っている。でも、私は矛盾に満ちている。それにダイヤモンドで覆われた時計を好きにならないわけがない。どうせベースの金属はほとんど見えないのだから。そして私はパヴェも好きではないが、適切に施されたパヴェは好きだ。ラインストーン(貧乏人のパヴェとでもいうべきか。これも嫌いじゃない)とか、あらゆる形のクリスタルやダイヤモンドで覆われたものでもだ。これで私はアライアのフラットシューズやティースジュエリー、ジュディス・リーバーの携帯電話型バッグとともに、宝石をちりばめた私の長い欲しいものリストにスノードロップセッティングを加えることができる。

AP ロイヤル オークのダイヤル
ブレスレットにセッティングされたスノードロップ
ブレスレットにセッティングされたスノードロップ
美しいダイヤモンドはさておき、現実の分析に話を戻そう。数週間前、ここニューヨークで行われたプレスプレビューで私が得た最大の収穫は、オーデマ ピゲがいかに手首の細いクライアントにうまく対応しているかということだった。これらの新作が女性向けとは言わないように気をつけるが、34mmのホワイトセラミック、38mmのCODE、そして今回の34mmのパヴェで、市場調査をしているようだ。

もし私がヘイリー・ビーバー(Hayley Bieber)やドリー・パートン(Dolly Parton)、リベラーチェ(Liberace、RIP)、またはリル・ウージー・ヴァート(Lil Uzi Vert)だったら、34mmの時計をつけていただろう。その領域は広い。

基本情報
ロイヤル オークのベゼルとリューズにダイヤモンドをあしらっている
ロイヤル オークのパヴェダイヤ文字盤
ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: ロイヤル オーク オートマティック(Royal Oak Selfwinding)、ロイヤル オーク 「ジャンボ」 エクストラ シン(Royal Oak “Jumbo” Extra-Thin)
型番: 77452OR.ZZ.1365OR.01(ROA)、16202BC.ZZ.1241BC.01(ROJ)

直径: 34mm(ROA)、39mm(ROJ)
厚さ: 9.2mm(ROA)、8.1mm(ROJ)
ケース素材: 18Kピンクゴールド(ROA)、18Kホワイトゴールド(ROJ)
文字盤: 18KPGまたは18KWGにブリリアントカットダイヤモンドをスノーセット
インデックス: バゲットカットダイヤモンド(ROA)、WGアプライド(ROJ)
夜光: あり
防水性能: 20m
ストラップ/ブレスレット: ブリリアントカットダイヤモンドをセットしたPGまたはWGブレスレット、APフォールディングバックル

Cal.5809
ムーブメント情報
キャリバー: 5809(ROA)、7121(ROJ)
機能: 時・分・センターセコンド(ROA)、時・分、日付表示(ROJ)
直径: 23.88mm(ROA)、29.6mm(ROJ)
厚さ: 4mm(ROA)、3.19mm(ROJ)
パワーリザーブ: 約50時間(ROA)、約52時間(ROJ)
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 28(ROA)、33(ROJ)

超薄型時計の進化は、オーデマ ピゲの革命につながる。

ウォッチメイキングの歴史を考えれば驚くべきことではないが、時計製造における本当の意味での“初めて”は、正直なところそれほど多くはない。1750年に登場したレバー脱進機は基本的に現代のすべての時計に何らかの形で搭載されているし、ミニッツリピーターは基本的に18世紀末までに現在の形になっている。そして最初のパーペチュアルカレンダーウォッチは、おそらく1764年にトーマス・マッジが作ったものと言われている。時計製造の歴史は、非常に長い時間をかけて積み重ねられた小さな改良の歴史である。だからこそオーデマ ピゲの自動巻きトゥールビヨン、Cal.2870のような時計が興味深い存在として、語り継がれる価値のある物語としてあり続けている(これが搭載されたリファレンスナンバーの25643は、ムーブメントの名前よりも知名度が低い。この理由は後述する)。Cal.2870を忘れてはならないもうひとつの理由は(本質的な興味のほかに)、数少ない真のベンチマークウォッチのひとつであり、今に至るまでより現代的な時計を評価する際の基準となるからだ。

で、それは何なのか。これは自動巻きトゥールビヨンでありながら、シリーズ初の自動巻きトゥールビヨンウォッチでもあり、また“最も薄い”をどう定義するかにもよるが、間違いなく史上最も薄い自動巻きトゥールビヨンウォッチであるということだ(執筆当時)。それだけでなく、この時計はシリーズ初のトゥールビヨンウォッチであることを主張してもおかしくない。1986年4月に発表された、オーデマ ピゲのCal.2870/Ref.25643は、全体の厚さがわずか4.8mmしかない。これほどまでに薄いトゥールビヨンムーブメントを作った当時は、CADや放電加工機械、LIGA技術のようなものがトゥールビヨン(ほかの超薄型のものも)を製造するはるか前のことだった。さまざまなメーカーの手に届かない範囲にあり、ほとんど不可能な挑戦だった。

もちろん、非常に小さなトゥールビヨンは以前にも作られていた。ジェームス・ペラトンは1927年に、直径わずか23.6mmのムーブメントを作り、その後ル・ロックルで彼の弟子であったフリッツ=アンドレ・ロベール=シャルル(彼はペラトンの後任として、同地の時計学校の校長を務めている)が5年の歳月をかけて、直径わずか19.7mm、キャリッジが8mmという信じられないほど小さなトゥールビヨンムーブメントを製作している。直径に関しては、現在もこの記録は破られていない。ロベール=シャルルはそれをわずか23.8mmの時計に収め、1945年に時計を完成させた。

…しかし、これらのムーブメントはすべて、その希少性や独自性から注目されるのであり、またこれらのムーブメントに共通するのは、直接的に収益を上げるのではなく、製作者の信用を得るための手段として、極少数しか製造されなかったということである

腕時計に装着できるワンオフトゥールビヨンを製造することは、当時のメーカーの技術力の範囲内であったことは明らかだが、トゥールビヨンムーブメントを腕時計に搭載できるよう小さくすることのほうがはるかに大きな問題だった。2870が登場するまでは、一般で市販されるトゥールビヨンウォッチはほとんど存在していなかったのだ。パテック フィリップは1940年代から50年代にかけて、腕時計用のトゥールビヨンムーブメントを時折製造していたが、その数はごくわずかで、特別な顧客のためか、あるいはスイス天文台クロノメーターコンクール用に製造していた。1947年、オメガはトゥールビヨンムーブメントのCal.30Iを発表した。これはパテックのトゥールビヨンキャリバーと同様、天文台クロノメーターコンクール用であった。ご覧のように、これは視覚的な魅力を念頭に置いて設計されたのではなく、正確さと歩度の安定性を重視して設計されており、また市販もされていない。合計12個が製造され、1950年にはCal.30Iがスイス天文台クロノメーターコンクールで優勝した。現代の多くのトゥールビヨンとは異なり、Cal.30Iは7.5分で回転するキャリッジを備えていた。これらは、パテック製のごく少数の天文台トゥールビヨンとともに、腕時計用トゥールビヨンの第1世代であり、パテックもオメガのトゥールビヨンも、1980年代までケースに入れられることはなかった。第2次世界大戦前と大戦直後のトゥールビヨンウォッチには、ほかにも非常に珍しい例がある。フランスのリップが有名なトノー型Cal.T18をベースに、いくつかのトゥールビヨンムーブメントのプロトタイプを製作したほか、ラインハルト・マイスによると1930年、エドゥアール・ベランがブザンソンの時計学校でリップエボーシュから腕時計用トゥールビヨンを製作したという話もある。そして信じられないことに、ジラール・ペルゴは1890年にクロノメーターのデテント脱進機を使って30mm/13リーニュのトゥールビヨンムーブメントを製造している。しかし、これらのムーブメントはすべて、その希少性や独自性から注目されるのであり、またこれらのムーブメントに共通するのは、直接的に収益を上げるのではなく、製作者の信用を得るための手段として、極少数しか製造されなかったということである。

オーデマ ピゲのCal.2870がいかに画期的であったかを示すために、その背景を紹介しよう。まず第1に、それまで誰もが自動巻きトゥールビヨンを連続生産していなかったし、基本的に私が知る限り、連続生産の商業的な作品を意図したトゥールビヨンウォッチは、これまで誰も作ったことがなかった。市場にこれほど多くのトゥールビヨンが出回っている今では信じられないかもしれないが、1986年ごろは、トゥールビヨンを搭載した腕時計は極めて珍しく、ほんのひと握りしか存在しなかった。そのため2870は必然的に、技術的に画期的なムーブメントだった。直径7.2mm、厚さ約2.5mmという、非常に小さくて超軽量なチタン製トゥールビヨンキャリッジを備えており、トゥールビヨンの製造でこのような素材が使用されたのは初のことだった。その結果、キャリッジは非常に軽く(わずか0.134g)、キャリッジに必要なエネルギー量を削減することができ、このような非常にフラットな腕時計に、非常にフラットなゼンマイを搭載することを可能にしたのだ。

自動巻上げシステム用振動子のピボット(図式はオーデマ ピゲ アーカイブ提供)

自動巻きシステムも非常に珍しい。ムーブメント設計上の理由もあったが、時計を可能な限りフラットに保つという目標のために、ムーブメント直径いっぱいのローターを使用することはできなかった。代わりに、Cal.2870は“ハンマー”巻き上げシステムを採用していた。これは、プラチナとイリジウムでできたローターが完全に回転するのではなく、小さな弧を描いて揺れる仕組みだった。時計のダイヤル6時位置の開口部からはこのハンマーの動きが見える。巻き上げ式のリューズはなく、時計を軽く振ってゼンマイを充電し、針合わせは裏蓋にセットされた小さくて平らなリューズを使って手動でセットする。

しかし、Cal.2870の最も変わった特徴は、輪列のデザインだろう。従来のムーブメントには、“ボトムプレート(地板)”がある。地板とは、ムーブメントのダイヤルに面した側のこと。地板と呼ばれるのは、時計職人が時計を分解する際、一般的に時計の表側を下にして作業台に置くため、ムーブメントの一部が底になるからだ。対してトッププレートは時計職人から見て上にあるもので、ブリッジのムーブメントのなかのブリッジを意味することもあれば、実際のトッププレート(4分の3プレート、またはフルプレート)を意味することもある。輪列のピボット(軸)は通常、片側が地板に、もう片側がトッププレート(またはブリッジ)に取り付けられた石で動いており、全体がケース本体の内部に収まっている。しかし、オーデマ ピゲの2870には、ブリッジや従来の地板がまったくない。代わりに、自動巻きシステムと輪列のためのピボットは、ムーブメントのトッププレートとして機能するケースバックにはめ込まれた石のなかで作動する。同じ原理を採用した数少ない時計のひとつがピアジェのCal.900Pだ(さらに、針と文字盤を輪列と同じ高さに配置するなどの革新的な技術も導入された。もうひとつ、1979年に発表されたクォーツ式のコンコルド デリリウムは、ケース厚1.98mmと非常に薄いケースが採用されていた)。それもあって、2870はモデル名ではなく単にキャリバーナンバーで呼ばれることが多い。本当の意味で、ムーブメントが時計なのだ(ちなみに、Cal.2870の完全な技術的内訳に興味がある方は、いつものようにウォルト・オデッツが最初に解説している)。

文字盤構成の特徴は、50秒に1度、反時計回りに回転する可視トゥールビヨンである。トゥールビヨンはスタイリッシュな太陽として鎮座し、そこを始点に文字盤を斜めに横切る太陽光のような“光線”を施している。APによるとこのデザインは、ファラオのアクエンアテンとその妻ネフェルティティのエジプトのレリーフ彫刻に由来しているという。両者は、ツタンカーメン王の両親として、西洋文化で死後に(非常に)有名になった人物だ。(時計がリリースされた当時の)1986年は、史上最大かつ初の超大型博物巡回展である『The Treasures of Tutankhamun』が1981年に終わり、大衆文化のなかで非常に大きな話題となったあとのことだ。

今のCal.2870の評価はどうだろう? ここ数年、ブレゲのRef.5377(ペリフェラルローター式、全体の厚さは7mm)、ルミジャーニ・フルリエのトンダ 1950トゥールビヨン(マイクロローター式、全体の厚さは8.65mm)、アーノルド&サンの“極薄トゥールビヨン脱進機(UTTE)”(厚さは8.34mm)、ブルガリのオクト フィニッシモ フライングトゥールビヨン(厚さはわずか5mm)など、極めて薄い手巻きトゥールビヨンが存在しているが、それでも驚くべきことに、これは史上最も薄い自動巻きトゥールビヨンである。“最初のもの”という点において、最終的にこれらのトゥールビヨンを比較して勝者を決めるのは少し馬鹿げているかもしれない。なぜなら、それぞれのトゥールビヨンは、美学、エンジニアリングのソリューションといったユニークな提案をしているからだ。しかし、Cal.2870/Ref.25643は、いかに偉大なモデルであるかということを強調するものである。厚さ約9mm以下の自動巻きトゥールビヨンを作ることは素晴らしい成果だ。1986年に厚さ5mm以下のものを作ったという時点で信じられないことであり、現在でも5mm厚以下の自動巻きトゥールビヨン(あるいはトゥールビヨンすべて)はこれだけだ(編集注記:現在の世界最薄はブルガリ オクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティックの3.95mm厚)。2870はまた、ただひとりで秘匿するのでもなければ、天文台クロノメーターコンクール用に競合製品を打ち負かすためでもなく、裕福層に向けてとはいえ一般消費者のためにイチから製作された、最初のトゥールビヨンウォッチでもあった。スタイルとデザインに重点を置き、当時としては驚くほど先進的な技術を駆使したこの時計は、1986年のオーデマ ピゲにとって画期的なデザイン上の偉業であった1972年のロイヤル オークのように、まさに現代として初のトゥールビヨンウォッチだったのだ。

シャネルでは、毎年異なるテーマで展開される限定カプセルコレクションをリリースしているが、

この時計の魅力を語る言葉は数多くあるだろう。だが、そうした言葉が無意味に感じられるほどの美しさが、この時計の魅力を雄弁に語る。

シャネル インターステラー カプセルコレクションを発表した。J12、プルミエール、ボーイフレンドといったシャネルのアイコンウォッチをベースにさまざまなスタイルのユニークな限定モデルが登場したほか、自社製ムーブメントを搭載したオートオルロジュリーコレクションにおいても宇宙を想起させるユニークなモデルが製作された。ムッシュー ドゥ シャネル トゥールビヨン メテオライトもそのひとつだ。

時計のメディアで仕事をしていると、トゥールビヨンウォッチを見る機会というのは少なからずある(とはいえ、身近な時計とは言いがたいが…)。その際に抱く感想は多くの場合、“よくこんなに精密なものを組み上げられたなぁ”とか、“どうやってこれだけ複雑なものが動いているのだろう”など、その機構のスゴさに関するものがほとんどだ。そうした感想に先立って、トゥールビヨンの時計を見て思わず見惚れてしまったという経験は、この時計をおいてほかにはない。

筆者の心を奪ったムッシュー ドゥ シャネル トゥールビヨン メテオライト。モデル名にもあるとおり、最大の特徴はメテオライト(隕石)ダイヤルを採用しているところにある。シャネル曰く、このメテオライトダイヤルを製作するために、さまざまな段階を通じて特別なノウハウを必要としたようだ。

スウェーデン由来のこのメテオライトは、まず塊から切り出され、研磨・洗浄されたのち、表面の凹凸を生かすために酸で洗われる。その後、地板に直接取り付けられるようにメテオライトにはスケルトン加工が施されるが、それはメテオライトのプレートを輪列の形に合わせてカットして、その仕組みを明らかにするようにデザインされており、極めて繊細な作業が必要になる。カットされたメテオライトは、亜鉛メッキ加工により色が濃くなったステンレススティール製プレート(同じく輪列の形に合わせてスケルトナイズされている)と組み合わされているが、これもメテオライト同様に同じ凹凸をもつ素材はふたつと存在せず、唯一無二のものだ。

ムーブメントには、シャネルのマニュファクチュールによって設計・組み立てされたフライングトゥールビヨンムーブメント、Cal. 5.1を採用。1分間で1回転するトゥールビヨンキャリッジは78個の部品で構成されている。このキャリバーは昨年発表されたCal.5をベースとしたもので、Cal.5ではフライングトゥールビヨンの中央に0.18ctの大きなダイヤモンドがセットされていたが、Cal. 5.1ではダイヤモンドに代わって自社製ムーブメントの象徴であるライオンの頭部モチーフがあしらわれた。

言ってしまえば、既存のCal.5のダイヤモンドをチタン製のライオンの頭部モチーフに変更したものだが、その内実は言葉どおりの簡単なものではない。当然ながらそれぞれで素材も形も異なり、トゥールビヨンキャリッジのバランスを取るための設計も異なるからだ。立体的なライオンの頭部は、このムーブメントのために特別に開発されたもの。レーザーで彫刻されるそれは比較的軽量なチタン素材とはいえ、このトゥールビヨンキャリッジが支えられるスペースと重量からすると、開発チームにとっては大きなチャレンジとなったようで、完成までに数年を要したという事実がその困難さを物語っている。

ムッシュー ドゥ シャネル トゥールビヨン メテオライトを手に取って特に感心したのは、トゥールビヨンウォッチでありながらも、その機構に固執することなく、あくまでもシャネルらしいスタイルを追求しているところだ。というのも、これまでに見てきたさまざまなトゥールビヨンウォッチのなかには、見栄えや技術的なアピールに終始していて、見た目こそ独創的ではあるものの日常的につけてみたいとは思えないものが少なくなかったからだ。

この時計はトゥールビヨンであることをことさらアピールはしてはいない。真円のなかに円を描くというムッシュー ドゥ シャネルのデザインコードを守りつつ、オープンワークスタイルのメテオライト文字盤というユニークな外観に自然とトゥールビヨンの存在がなじんでいる。また、ライオンモチーフがあしらわれたSS製3重折り畳み式バックルはシャネルおなじみのバネ式。爪を痛めずに開閉できる構造で扱いやすい。ユニークではあるが、しっかりと日常的につけることが考えられているように感じられた。

もちろん、見栄えや技術的なアピールに終始した時計があってもいいと思うし、欲を言えば、この時計においても不満に思う点がないわけではない。アワーインデックスがあったほうが時刻が読み取りやすいと思うし、23〜37分にかけてはミニッツインデックスが欠けているため、正確な分表示がわからないという点は個人的な好みからすると気になる点ではある。

だが、この時計を手に取って考えさせられたのは、現代において日常的に手に取りたいと思う時計は何かを考えたとき、視認性やつけ心地といった実用的な側面はもちろんが大切だが、時計を見て直感的に心を動かれるかどうかということは、それ以上に大切なことではないか? ということだった。そして、それこそがこの時計に込められた最大のメッセージなのだと思うに至った。

このムッシュー ドゥ シャネル トゥールビヨン メテオライトの魅力を語る言葉はたくさんある。だが、そうした言葉を飛び越えて、直感的に美しいと感じさせる魅力が確かに感じられるのだ。そういうものに出合える機会というのは、長年たくさんの時計を見ていてもそう多くはない。個人的には、過去に登場したシャネルのトゥールビヨンウォッチのなかでもっとも心引かれるものとなった。シャネルのウォッチメイキング全般を取り仕切るアルノー・シャスタン氏は、以前のインタビューのなかで、シャネルのプロダクトは装飾品として美しいかどうかが一番大切なことなのだと語っていた。ムッシュー ドゥ シャネル トゥールビヨン メテオライトは、まさにシャネルならではのトゥールビヨンウォッチなのだ。

基本情報
ブランド: シャネル(Chanel)
モデル名: ムッシュー ドゥ シャネル トゥールビヨン メテオライト(Monsieur de Chanel Tourbillon Meteorite)
型番: H7956

直径: 42mm
ケース素材: 高耐性マットブラックセラミック×ステンレススティール
文字盤: オープンワークのメテオライト
インデックス: 60分刻みの目盛り入りアプライドリング
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブラックカーフのトリミングとライニングを施したブラックナイロンストラップにSS製3重折り畳み式バックル

ムーブメント情報
キャリバー: 5.1(自社製)
機能: 時・分表示、フライングトゥールビヨン
厚さ: 5.9mm
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 28

価格 & 発売時期
価格: 1705万円(税込) ※価格は公開日時点のもの。
限定: 世界55本限定。

ショパール アルパイン イーグルに息づくジュエラーとしての豊かな色彩感覚。

スポーツシックなラグジュアリーウォッチを標榜するショパールのアルパイン イーグルが新たな領域を開いた。それは豊潤なカラー。ハイジュエラーとして培った美的感性やノウハウを注ぎ、文字盤やジェムセッティングで独自の世界観を展開する。マニュファクチュールのウォッチメイキングと結びつくとともに、次世代への責任も見据えた美しさは唯一無二の輝きを放つ。

もはや周知のことかもしれないが、アルパイン イーグルは2019年に登場した。その前身は1980年に発表されたサンモリッツである。これは現在、共同社長を務めるカール‐フリードリッヒ・ショイフレ氏が、父であり、当時の代表だったカール・ショイフレ3世を説き伏せ、メゾン初のステンレススティール製スポーティウォッチとしてデザインしたもので、この成功とともに自身の代表作となった。そして次世代を担う立場として、この伝説的アイコンウォッチに注目したのが息子のカール‐フリッツ氏だった。おもしろいことに、不安視する父に対して意外にも積極的に相談に乗ったのは祖父だったそうだ。かくしてオーナー家3代に渡るウォッチメイキングの情熱がここに結実したのである。

アルパイン イーグルはサンモリッツをモダンに解釈したデザインをベースとしつつ、文字盤にはイーグルの虹彩を思わせる繊細なパターンを施し、シャープな面取りで仕上げた一体型ブレスレットにはアルプスの岩盤を思わせる質感が与えられた。スイスの大自然への思いを宿し、そこには時計メーカーとしてだけではなく、ハイジュエラーとしての美に対するこだわりと洗練の技がいかんなく注がれている。2020年にはクロノグラフモデルを投入し、デビューから数年のあいだに高振動キャリバー、フライングトゥールビヨン、そしてスモールセコンド表示を備えた極薄型モデルとバリエーションを広げ、アルパイン イーグルはメゾンの新たなアイコンとして確立した。そして、その新境地を開くのはハイジュエラーとしての繊細な色彩感覚だ。

ショパールの歴史を改めて振り返ると、1860年に時計師ルイ-ユリス・ショパールがスイスのジュラ地方にあるソンヴィリエで創業した工房に遡る。その高い技術と品質からヨーロッパの王侯貴族に愛用され、1937年にジュネーブへ移転したのちも着実に名声を得ていくが、1960年代、ポール-アンドレ・ショパールの時代には後継者が途絶えたことで存続の危機に陥る。これに手を差し伸べ、ショパールの経営を引き継いだのがドイツの老舗ジュエラーとして名を馳せたカール・ショイフレだった。

カール・ショイフレは1904年にドイツのプフォルツハイムで会社を創業し、ジュエリーウォッチはじめ、ペンダント、メダル、ブレスレット、ブローチといったアクセサリーにアール・ヌーヴォーに着想を得たフローラルのモチーフで人気を博した(ちなみに彼はエスツェハ/Eszehaというブランド名で販売した)。戦後、家業を継いだ孫のカール・ショイフレ3世は、金細工職人であると同時に優秀な時計職人でもあり、本格的なウォッチメイキングの確立を模索していた。ポール-アンドレ・ショパール、そしてカール・ショイフレ3世との出会いは互いにとって好機であり、大きな転換点になったのである。

1976年にハッピーダイヤモンドを発表し、ムービングダイヤモンドはジュエリーウォッチの世界に革命をもたらし、ショパールの名は時計の世界に一躍広まった。それから2年後には自社内に独自の合金生産のできる鋳造工場をいち早く設立し、ジュエリーと時計の開発製造における垂直統合化を果たした。そして今では毎年カンヌ国際映画祭において、レッド カーペット コレクションの新作ハイジュエリーが世界の注目を集めるほど、ジュエラーとしてのショパールの名は世界的に知れ渡っている。そう、ショパールのアイデンティティを支える根幹には、時計メーカーとして、そしてジュエラーとしての歴史があり、このふたつの歴史を持つことがショパールのウォッチメイキングにも大きな影響を与えていることを忘れてはならない。

アルパイン イーグルには、自社で金を鋳造するゴールドファウンドリを持つ強みを生かしてフルゴールドモデルも豊富に揃う。だが、イエローゴールドモデルのラインナップはそれほど多くない。左:自動巻き(Cal.Chopard 01.01-C)。COSC認定クロノメーター。18KエシカルYGケース&ブレスレット。41mm径。厚さ9.75mm。100m防水。時計の詳細はこちら。右:自動巻き(Cal.Chopard 09.01-C)。COSC認定クロノメーター。18KエシカルRGケース&ブレスレット。36mm径。厚さ8.4mm。100m防水。時計の詳細はこちら。

ショパールのハイジュエラーとしての自負はモノづくりばかりでなく、素材そのものにも向けられた。2013年に責任ある調達を目指すフェアマインド認定のエシカルゴールドの採用に着手し、3年後にはすべての製品において100%エシカルゴールドの使用を宣言。さらに2019年に発表したアルパイン イーグルではリサイクルスティールを70%含有するルーセントスティール™を採用しているが、そのリサイクル率はすでに80%を超えており、2025年までに90%以上の達成を掲げている。また、2023年末までにアルパイン イーグル含むすべてのSS製ウォッチにルーセントスティール™の使用することが決定している。

さらにこの責任ある調達の精神はメゾンで使用されるダイヤモンド、プレシャススストーンにもおよぶ。たとえば、ショパールで使用するすべてのダイヤモンドは、いわゆる“紛争ダイヤモンド”ではないことが証明されたキンバリープロセス認証を受けたもの、加えて原産地が特定できないものや、認証制度の未実施国や地域からのダイヤモンドを売買しないことを義務付ける自主規制を敷き、調達先のトレーサビリティが可能なものだけが使用される。

こうした取り組みは、持続可能性のある社会の実現に向けたメゾンとしての使命であり、サステナブル・ラグジュアリーへの旅として長期的なプロジェクトに位置づける。ショパールにとって、それは時を超越する真のラグジュアリーの追求なのである。

ナチュラルな美しさを引き出す、洗練の美学と熟練の技の世界

ジュエラーとしてのショパールの存在を際立たせているのは、共同社長であり、ハイジュエリー部門を統括するアーティスティック・ディレクター、キャロライン・ショイフレ氏が提唱する“ナチュラルな美しさを引き出す”ことを主眼に置いたスタイルである。

「宝石には本来備わった美しさがあります。ジュエラーがすべきことは、過度に手を加えずそれを引き立てること。シンプルなデザインのなかでこそ、彼らの卓越したスキルが発揮されます」

ショパールのジュエリーは、この彼女の感性をもとにデザインされ、ジュネーブのメイランにある本社内に設けられたハイジュエリーアトリエから生み出される。このハイジュエリーアトリエは極めて秘匿性が高いため、どれほどの経験を持つ職人がここでの作業を担当できるのかは明かされないが、キャロライン・ショイフレ氏のアイデアとスケッチがデザイナーへと渡され、その後ワックス彫刻職人や鋳造職人、宝石職人、細工職人、ジェムセッター、研磨職人など、同アトリエが誇る多くのアルチザンたちの芸術的な技巧を経て徐々に形作られていく。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック 35mmは、ヴィンテージの人気モデル。

往々にして、ヴィンテージかモダンかという議論はほとんどが理論的なものだ。古い腕時計と新しい腕時計は明白に異なる魅力を持っており、どちらを買うべきかは、あなたがどの系統の時計病に悩まされているかによって決まる。

しかし、ニバダ グレンヒェンが新しい35mmのアンタークティックを、オリジナルのヴィンテージアンタークティックと一緒に見る機会を提供してくれたとき、長年の疑問を検証するチャンスのように感じた。ヴィンテージかモダンか? あるいはなぜ両方ではないのか?

11月、ニバダ グレンヒェンはアンタークティック 35mmモデルを発表した。新しいニバダ グレンヒェン アンタークティックの外観は、オリジナルのアンタークティックとよく似ている。ケースサイズは35mm径、厚さは10mm(風防を除くと7mm厚)だ。手首につけるとスリムな印象で、ラグからラグまでは42mm。ケースは完全ポリッシュで、そのインスピレーションを模したファセットラグが付いている。手首の大きさによっては小さすぎるかもしれないが、ニバダ グレンヒェンにはすでに、大振りなスーパーアンタークティックが存在する。私にとって今回アップデートされた35mmは、ブランドが2020年に再開したと同時にリリースした最初のアンタークティックよりも、はるかに成功していると感じる。その前のバージョンはモダンな時計になろうとしすぎて、その結果、すでに市場に出回っているほかの多くの時計と同じように見えてしまったのだ。

ニバダ グレンヒェンは今、見せかけを取り払い、本質的にオリジナルのアンタークティックを細部まで再現した復刻版をつくりあげた。これは約36時間パワーリザーブを備えた、シンプルな手巻きムーブメント、ランデロン21のおかげでもある。自動巻きムーブメントより実用性が劣るのは間違いないが、手に巻いたときの感触を重視した上でのチョイスだ。幸いなことに薄くて軽量ながらも存在感を放ち、その選択は成功したようだ。モダンで完全に実用的なフィールドウォッチが欲しい人は、ほかで試せばいい(Apple Storeを覗いてみるのはいいかもしれない)。ニバダ グレンヒェン アンタークティックは、忠実さのために機能を犠牲にした復刻モデルであるが、それを恥じることはない。私はその認識力を高く評価している。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック 35mmは、ホワイト、エッグシェル、ブラックのいずれかのダイヤルオプションを提供しており、いずれもホワイトまたはベージュのルミノバ夜光を採用している。ブランドから送られてきたのは、ベージュ夜光が入ったホワイトバージョンだった(どちらかと言えば“フォティーナ”仕様)。数字はまぎれもなくアール・デコスタイルで、あらゆる方向に光を反射するファセットアローがそれを引き立てている。夜光マーカーもオリジナルにインスパイアされたもので、典型的なドットではなく、わずかに角度のついた線が配されている。

スマイルアンドウェイブ(笑顔で手を振って!)

新旧ともにスリムな形状をしている。

フォティーナ夜光が付いたエッグシェル文字盤か、あるいはホワイト文字盤にホワイト夜光の組み合わせのほうがよかったかもしれない。真っ白な文字盤に対してベージュ夜光がややマッチしていない。アンタークティック(南極)と呼ばれる時計を、スノーホワイトダイヤル仕様にしたというアイデアは大好きだが、私にとってはエッグシェルこそが、この時計のヴィンテージ志向を最もよく表していると感じる。

850ドル(日本円で約12万5000円)という価格は、競合製品と比較しても妥当だろう。スペック上、カーキ フィールド メカニカル(税込8万5800円)が最も自然な比較のように思えるが、アンタークティックは従来のフィールドウォッチとは違った雰囲気がある。

南極の風より涼しい
新しいアンタークティック 35mmは、1950年代のニバダ グレンヒェンの同名作品からインスピレーションを得ている。50年代半ば、米国は“ディープフリーズ作戦”と呼ばれる、一連の南極探査ミッションを開始した。リチャード・バード(Richard Byrd)提督がミッションを指揮しており、彼の手首にはニバダ グレンヒェン(クロトン)のアンタークティックがあった。次のような広告でまったく同じ時計を目にすることができる。

アンタークティックは頑丈で防水性があり、耐衝撃性もあった。それでいて35mm径だ。ヴィンテージのアンタークティックは現代の例と驚くほど似ている。ほんのわずかにアップデートが加えられた、完全復刻モデルである。リューズは最新版のほうが若干操作性が高いが、ヴィンテージアンタークティックは自動巻きムーブメントを搭載していたため、頻繁に巻き上げる必要はなかった。

新しいアンタークティックの真っ白な文字盤はシンプルさが魅力的だが、ヴィンテージは文字盤にこそ魅力がにじみ出ている。これはともにいい部分がある。誰かの物語を手首につけているのはそれだけでクールだし、あるいは思い出を新たに刻むことができるのもいいかもしれない。もちろん、ヴィンテージウォッチを実際に身につけて行動できるのか、あるいは身につけるべきなのかという不安もつきまとうだろう。

価格について、ニバダ グレンヒェンのギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)氏によると、状態にもよるものの600ユーロから1000ユーロ(日本円で約9万5000~15万9000円)でヴィンテージアンタークティックを見つけることができるという。ただ素晴らしいものを待つ必要はあるかもしれない。

結局のところヴィンテージかモダンか
“ヴィンテージ”、“モダン”コレクターの区別は、かつてないほど時代遅れ感がある。“真の”ヴィンテージの定義が何なのか(あるいは誰が決めるのか)ますますわからなくなってきているし、“ネオヴィンテージ”ウォッチへの関心も高まっている今、それが重要なのかどうかもわからない。最近のコレクターが求めているのは、1年前のものであれ51年前のものであれ、しっかりとした作りの時計なのだ。

ギヨーム・ライデ氏が2020年にニバダ グレンヒェンをリニューアルして以来、ブランドの伝統を生かした多くの商品や限定モデルをリリースしている。これはエクセルシオパークやヴァルカンといった、ほかの“ゾンビ”ブランドで行ってきたのと同じことだ。私が注目するリリースは、オリジナルに最も近い色合いのものであることが多い。誰かがブランドの歴史を直接的に、そして謝罪なしに堂々と描いているのを見るのは楽しい。

正直なところ、この価格帯のモダンなフィールドスタイルウォッチを買うとしたら、スタジオ・アンダードッグのフィールドコレクションのような、遊び心のあるユニークなフォルムのものにお金を費やすだろう。しかし、それらは私が現代の時計に求める基準だ。代わりに、愛するヴィンテージモデルの忠実な復刻版を望む人もきっといるだろう。この2点を比較するのはフェアではないかもしれない。というのも現在では両者ともに十分すぎるほどの伸びしろがあり、さらにそれ以上の余地があるからだ。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック 35mmは、ニバダ グレンヒェン公式ウェブサイトにて12月23日まで予約受付中。35mm径×10mm厚(ラグからラグまでは42mm径)、316Lステンレススティール。ラグ幅は18mm(ストラップは16mmまでテーパーがかっている)。50m防水、ダブルドーム型サファイア風防。ムーブメントは手巻きCal.ランデロン21、2万8800振動/時、約36時間パワーリザーブ。ホワイト、エッグシェル、ブラック文字盤。ホワイトまたはベージュ夜光。質感のあるレザーストラップ。価格は850ドル(日本円で約12万5000円)。