ロンジンの“海陸空”トリロジー|伝統と現代の融合

ロンジンの“海陸空”トリロジー|伝統と現代の融合
皆さんは「ロンジン」の時計と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
「エレガント」、「クラシック」、あるいは「コスパの良さ」など、様々な答えがあるかと思います。確かに、名匠(マスターコレクション)やコンククス(潜水表)は、現代的なロンジンの顔として広く知られています。
しかし、近年のロンジンにはもう一つの顔があります。それは、歴史的な遺産(ヘリテイジ)から着想を得た「ヴィンテージ(復刻)」路線です。
今回は、そんなロンジンの復刻モデルに注目し、「海・陸・空」をテーマにした三つの名作をご紹介します。これらは単なるレプリカではなく、現代の素材と技術で蘇った、まさに「伝説の再現」です12。
1. 海:伝説の潜水員 39mm|1959年のDNAを継承
ロンジンの復刻版「海」の申し子が、「レジェンド・ダイバー(Legend Diver)」です。
その原点は1959年に発表されたRef.7042。今回の39mmモデル(L3.764.4.50.7)は、従来の42mmや36mmという極端なサイズ感がたびたび話題になっていた中で、2024年に発表された「ちょうど良い」サイズのモデルです12。
特徴的な仕様
スーパーコンプレッサー構造: これはロンジン独自の技術ではなく、当時のサプライヤーである「エルドール」社のシステムです。表ケースと底蓋を金属バネで固定し、水圧が高まると逆にケースが締まるという、非常にユニークな構造(同期のジャガー・ルクルトやハミルトンも採用)1。
ツインクラウン(2つのリューズ): 2時位置のリューズで内側の回転ベゼルを操作。4時位置のリューズで時分針を調整します1。
ノンデイト: 今回は日付表示が廃止され、文字盤は歴史的なモデルに忠実な、左右対称の美しいバランスを実現。アームチェアパイロット(腕時計愛好家)にはこの「無駄のなさ」がたまらないポイントです2。
モダンスペック
ムーブメント: L888.6自動巻き機械式(72時間パワーリザーブ、COSC公認天文台認定)12。
文字盤: 拱形(アーチド)サファイアクリスタル。
2. 陸:クラシック復刻 ミリタリー 月相|1950年代の優雅さ
「陸」のモデルは、1950年代末に誕生した「ミリタリー(軍旗)」シリーズの復刻版。中でも注目は、2023年に登場した「月相」モデル(L4.815.4.72.2)です12。
特徴的な仕様
「金のへそ」: 裏蓋には「帆船」のエンブレムが施されており、周囲を青色のエナメルで囲んだこのデザインは、当時の高級ラインにしか与えられなかった「金のへそ(Gold Navel)」と呼ばれるもの12。
月相表示: 6時位置に月相と日付を配置。太陽紋(サンレイ)仕上げの文字盤(シルバー、ブルー、アイボリーの3色展開)と、太いポインター針(太股針)が、当時のエレガントな雰囲気を再現12。
モダンスペック
ケース径: 38.5mm。やや小ぶりなサイズ感が、現代のクラシックウォッチファンに支持されています。
ムーブメント: L899.5自動巻き機械式(L888ベースに月相モジュールを搭載、シリコン遊丝採用による抗磁性能)12。
3. 空:チェコ空軍 1935 (MAJETEK)|1935年の軍用時計を現代に
最後の「空」は、「チェコ空軍 1935」、もしくは愛称で「マジェテク(Majetek)」です。
1935年、チェコ空軍は浪琴、レマニア(Lemania)、エイジャーマール(Eterna)などに軍用時計の供給を依頼しました。この時、各社が生産した時計には「MAJETEK」(チェコ語で「軍事財産」の意)という刻印が施されていました12。
特徴的な仕様
回転ベゼル: 2014年の初版復刻モデルとは異なり、今回は回転ベゼルが復活。文字盤内の矢印と連動し、計時機能が使用可能になりました。
「鉛筆針」: 細く尖った針(ピencil hands)は、当時の軍用時計ならではの緊張感のある表情。
リューズガード: 大きなリューズを保護するガードが設けられ、視覚的なバランスが大幅に改善されています。
モダンスペック
ケース径: 43mm。枕形(クッション)ケースが、男性的な存在感を放ちます。
ムーブメント: L893.6自動巻き機械式(25,200振動、72時間パワーリザーブ、600ガウスの抗磁性能、COSC認定)2。
まとめ:ロンジン復刻モデル「海陸空」比較表
モデル名 テーマ 原型年 主な特徴 推奨される人
レジェンド・ダイバー 39mm 潜水 1959 スーパーコンプレッサー、無歷、39mm径 小ぶりな潜水表が欲しい人、ヴィンテージファン
クラシック復刻 ミリタリー 正装 1950s 月相、金のへそ、38.5mm 優雅なデザインを求める人、コレクター
チェコ空軍 1935 航空 1935 回転ベゼル復活、鉛筆針、43mm ミリタリーウォッチ愛好家、存在感を求める人
総評
ロンジンのこれらの復刻モデルは、単に「古いデザインを真似る」のではなく、「現代の技術で弱点を補う」という点が優れています。
例えば、当時のモデルでは難しかった72時間の長時間巻上や、高い防水性能、抗磁性能を備えていることです。
2026年の冬、あるいは新春を迎えるにあたり、プレゼントや自分へのご褒美として、この「海陸空」の三作品の中から、自分だけの一品を選んでみてはいかがでしょうか。

機芯を逆さにすることで、グラスキュッテが都市を彫り上げる

ドレスデン。これはドイツ第二の都市であるだけでなく、ヨーロッパを代表する美しき文化の都です。聖母教会(Frauenkirche)やツヴィンガー宮殿(Zwinger)に代表されるように、その数々の象徴的な建築物は「バロックの街」そして「エルベ川上のフィレンツェ」と呼ばれる所以です。
19世紀初頭、ドレスデンの芸術と科学が花開く中、数多くの時計師たちがこの街を離れ、わずか35分の距離にあるグラスキュッテの町へと向かいました。そこが、ドイツ製時計業界の輝かしき歴史の始まりでした。
この「ドレスデン」という街に敬意を表し、グラスキュッテ・オリジナル(Glashütte Original)は限定25本の「アンダージー(逆さ)」モデルを発表しました。
グラスキュッテ美学の頂点:偏心と逆さ構造
偏心シリーズは同ブランドを語る上での看板シリーズですが、そこに「機芯逆さ(Durchsehen)」構造を加えたモデルは、まさにドイツ製時計美学の頂点といえるでしょう。
このモデルは、伝統的な正装時計の対称レイアウトを打ち破り、非対称な文字盤構成を採用。そして何より大胆なのは、機芯構造を裏返し、本来裏蓋側に隠れている3/4夹板(スリーフォース)、ダブル・スワンネック(鵞頸微調)、テンプなどを文字盤側にそのまま露出させている点です。これこそが、現在の時計界で最も識別性の高いデザインの一つです。
手彫刻で綴るドレスデンの風景
本作の最大の見どころは、その文字盤と裏蓋に施された手彫刻(Hand Engraving)です。
文字盤側(表): 42mmのプラチナケースに収められた文字盤。文字盤左上に位置する3/4夹板は、まるでキャンバスのようにドレスデンの街並みに変貌を遂げています。美術アカデミーの屋根や「ファマ女神像(Fama)」、そして聖母教会の有名な「鐘型石造ドーム」などが精巧に彫り出されています。さらに、飛翔する鳥や雲、熱気球といった日常の風景も織り交ぜられ、息をのむような緻密さです。
装飾の細部: 3時から6時位置に位置するスワンネック微調装置には、バロック様式の装飾彫刻が施され、その芸術性をさらに引き立てます。
時を計るディスクは「宙」に浮かべて
この手彫刻による景観の驚異的な一体感を損なわないため、時間表示はあえて「宙」に浮かせる設計とされています。
表示方式: クラシックな小三針。時・分・秒は文字盤よりも上の層に位置するディスクで表示されます。
レイアウト: 時分盤と小秒盤が重なり合い、文字盤左上に配置。これを3本のブルースチール(青焼き)ネジが支えています。
ビッグデイト: 2時位置には、エッジに面取り装飾が施されたビッグデイト・ウインドウを配置。
裏蓋もまた「表」である
この時計の魅力は、裏蓋側にも負けていません。
裏蓋の彫刻: 裏蓋の基板もまた完全に手彫刻されており、エルベ川沿いのプロムナードや他の象徴的な街並みを描いています。
パーツの装飾: 手彫刻されたロジウムメッキフレーム、磨き上げられた鋼製パーツ、面取りエッジ、ブルースチールネジは、グラスキュッテの伝統技術の粋を尽くしています。
镂空(ロータ): 自動車(ローター)は透かし彫り加工されており、その形状は聖母教会のシンボルを模しており、文字盤正面のドレスデンを象徴するランドマークと呼応しています。
技術的裏付け:Cal.91-03
本作を支えるのは、ブランド自社製のCal.91-03型自動巻きムーブメントです。これは、定評のあるCal.91-02をベースに特注開発されたモデルです。
性能: 45時間の動力貯蔵。
振動数: 時速28,800回(4Hz)。
精度: ダブル・スワンネック微調装置により、より細かくかつ正確な時刻調整が可能となり、優れた精度を保証しています。
総括
プラチナケース、文字盤・裏蓋両面に施された手彫刻、そしてグラスキュッテを代表する「偏心」と「機芯逆さ」構造。
ここまで芸術性が高く、限定25本という希少性を持つモデルは、現在のスイス時計界や世界の製表業界の中でも、最も誠実でコスパの高いブランドと言えるでしょう。これはまさに、手の届く範囲の「芸術品」です。

エドックスがクロノラリー スポーツマン クロノグラフの新作を1月12日発売~

EDOX( エドックス)が、伝説のカーレーシングドライバーであるファン・マヌエル・ファンジオの栄光を称え、クロノラリー スポーツマン クロノグラフ オートマティックの限定モデルを、11月12日に全国の正規販売店およびエドックス オンラインストアで発売します。

エドックスとファン・マヌエル・ファンジオ
1884年の創業以来、エドックスはスポーツシーンと深く結びつき、とりわけモーターレースとの関係において独自の存在感を放ってきました。耐久性、防水性、精密性を追求する姿勢は、極限の状況下で勝負が決するレースの世界と共鳴し、世界ラリー選手権(2009年)、(ダカール・ラリー 2012年)、FIA世界ラリークロス選手権 (2019年)といった最高峰の競技大会で公式計時を担当、「ザウバーF1チーム」のプレミアムパートナーに就任( 2016年)した実績も持っています。2021年には、「BMW M モータースポーツ」とのスポンサーシップを締結し、発売した記念モデルが大きな話題を呼びました。

この度、アルゼンチンにあるファンジオ博物館の協力により、1950年代のF1で5度の世界チャンピオン[※1]に輝き、「エル・マエストロ(巨匠)」と称えられた伝説のレーサーであるファン・マヌエル・ファンジオ(1911~1995年)の栄光を称える限定モデルを発売いたします。

ファンジオは、冷静な判断力と的確なマシンコントロールによって、命に関わる深刻な事故が多発していた1950年代のF1で生涯無傷。アルファロメオ、メルセデス・ベンツ、フェラーリ、マセラティという4つの異なるチームで戦い、圧倒的な勝率を誇りました。アイルトン・セナやミハエル・シューマッハらと並び、史上最も完成度の高いドライバーの1人と評価され、母国アルゼンチンでは国民的英雄として尊敬されています。ドライバーとしてのファンジオの圧倒的な技術と万能性は、エドックスが体現してきた精度と信頼性の精神と重なります。本作は、クラシックレーシングの精神を現代に蘇らせるとともに、ファンジオの不滅の遺産を永遠に伝えるタイムピースです。

[※1]2003年にミハエル・シューマッハに破られるまで、46年もの間、史上最多記録を誇っていました。

≪特徴≫
ネオ・ヴィンテージウォッチ
1972年に発売したスポーツマン クロノグラフ 手巻き、(直径37mm)に着想を得て開発した、クロノラリー スポーツマン クロノグラフ オートマティックの、新作モデル。

1972年と今回の最新作

1970年代に流行したレトロフューチャーデザインのトノー型ケースやドーム型風防、レーシングの世界を彷彿とさせるクロノグラフ機構やタキメーターなどはベースモデルを踏襲しつつ、信頼性の高いスイス製機械式クロノグラフムーブメントを現代的な直径41mmのケースに収めています。ダイバーズウォッチの先駆者として培ってきた技術を発揮し、ベースモデルの4気圧/40m防水から30気圧/300m防水へスペックアップしました。

ファンジオの栄光を称えるレーシング仕様
モータースポーツのドライバーがレースシーンで着用することを想定し、視認性の高いダイアルにストップウォッチ機能であるクロノグラフ、フランジに平均時速を測定できるタキメーターを搭載。クロノグラフはスポーティーな印象の縦3つ目デザイン。レースの激しさを意味するレッドのクロノグラフ秒針・積算針により、ひと目で経過時間を判読可能。ダイアル4時位置にファンジオのサインをプリントしています。

レーシンググローブを着用したままでも操作しやすいよう、プッシュボタンを大きめに設計。穴から熱を逃がし通気性を高めるパンチング仕様のブラウンレザーストラップも付属します。

ケースバックは、精緻なムーブメントの鼓動を間近に楽しむことができるシースルー仕様。レーシングカーのボンネットを開け、エンジンを覗き込む瞬間に通じています。

レースの世界でパワーユニットが勝敗を左右するように、時計の心臓部であるムーブメントの精度を追い求めるエドックスの哲学をご体感いただけます。ファンジオの栄光を称える限定モデルの証明として、“TRIBUTE TO FANGIO” “LIMITED EDITION”の文言とシリアルナンバーが刻印されます。

【仕様】
クロノラリー スポーツマン クロノグラフ オートマティック
ファンジオ リミテッド エディション
品番(画像左より) :01132-3G-BEAN(オフホワイト)/01132-3BU-BUGN(ネイビーブルー)
税込み価格 :715,000円
限定本数 :各世界限定115本

ムーブメント:キャリバー EDOX011S(SW500・自動巻き)
・機能 :時・分・秒 (スモールセコンド)
・表示、日付・曜日表示、クロノグラフ
・30分積算計、12時間積算計
・タキメーター
・石数 :25石
・振動数 :28,800振動/時
・パワーリザーブ :約48時間
ケース:316Lステンレススティール
・ケースサイズ :直径41mm、厚さ16.8mm
・風防 :ドーム型サファイアクリスタル(無反射コーティング)
・ケースバック :シースルーバック
・防水性 :30気圧/300m
・ラグ幅 :20mm
・その他 :ねじ込み式リューズ
ストラップ:316Lステンレススティール (メッシュブレスレット)
・バックル種類 :片開き Dバックル
・バックル素材 :316Lステンレススティール
・付属 :レーシング仕様のブラウンレザーストラップ

[エドックス]~THE WATER CHAMPION
優秀な時計職人クリスチャン・リュフリ=フルーリーが、妻の誕生日を祝うため自身でデザインして作った懐中時計。この贈り物の美しさに感動した妻から、時計ブランドを立ち上げることを勧められ、1884年にスイスのビール/ビエンヌでエドックスを創業しました。ブランド名は、(「時間」を意味する古代ギリシャ語に由来しており、ブランドエンブレムである砂時計のマークは「不朽」を象徴しています。2024年に、創業140周年を迎えました。
創業当時は懐中時計で名を成していましたが、1950年代から腕時計の製造にシフト。世界初の特許を取得した防水機構を開発するなど、過酷な環境下でも計時機能を維持できる高性能な時計づくりを追求してきました。1961年に発表したブランド初の防水時計デルフィンに始まり、現在のフラッグシップコレクションであるクロノオフショア1、海の神を象ったネプチュニアンに至るまで、50年以上にわたってダイバーズウォッチ開発の先駆者として最前線を走り続けています。国際的なラグジュアリースポーツの大会オフィシャルタイムキーパーを務めるなど、スポーツシーンとのパートナーシップを数多く締結しています。耐衝撃性や防水性などのタフネスに優れたエドックスウォッチは、一流アスリートからも厚い信頼を得ています。

シンプルな伝統とブランドが誇る最先端の時計製造技術の違いを見事に表現したモデルたちだ。

JLCは以前にもレベルソ・クロノグラフをつくったことがある。1991年のレベルソ誕生60周年を機にJLCはレベルソに初めて複雑機構を搭載するようになった。最初は日付とパワーリザーブから始まり、トゥールビヨン、ミニッツリピーターと続いていく。そして1996年には新型のCal.829を搭載したレベルソ・クロノグラフを発表した。ブランド初のシェイプドクロノグラフムーブメントであると同時に、クォーツショック以降に初めて開発された手巻きの一体型クロノグラフでもある(当時のギュンター・ブリュームラインはJLC、ヴァシュロン、IWCが属するLMHグループを率いており、1999年にダトグラフで一体型キャリバーを発表したランゲの復活にも貢献した)。初代のレベルソ・クロノグラフは限定生産品であり、JLCは短命に終わった後続モデルのレベルソ・グランスポーツと、そのアップデート版であるCal.859も2000年代初頭まで生産した。

ジャガー・ルクルトスーパーコピー時計代引き レベルソ・トリビュート・クロノグラフ
新しいレベルソ・トリビュート・クロノグラフのサイズはラグからラグまでが49.4mm、幅が30mm、厚みが11mmとなっている。私はSSのバージョンとともにほとんどの時間を過ごしたが、驚くほどクールでスポーティな着こなしができた(レベルソはポロ選手の時計に端を発しているから当然といえば当然だ)。SS製クロノグラフの表面は洗練されたブルーグレーに似たダイヤルとなっており、JLCによると酸化チタンを薄く蒸着させるADLプロセス(原子層堆積法、数ナノメートルの超薄膜を平坦な面に正確に成型する)で実現したサンバースト仕上げを施したとのことだ。クロノグラフのプッシャーは細長いレクタンギュラー形で、時計の感触を邪魔することはない。もしこの時計を時間表示のみのモデルとして身につけるのであれば誰にも気づかれることはないだろう。シャープなドフィーヌ針が2本配置されているだけで、それ以上でもそれ以下でもない。

RGのほうのクロノグラフは、ピュアブラックのダイヤルがケースをさらに引き立てている印象で、SS製よりもドレスアップしている感じだ。刻まれた“Jaeger-LeCoultre”のサインは金箔のようなローズカラーでプリント。これも細部まで考え抜かれたディテールのひとつである。

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・クロノグラフの裏面
ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・クロノグラフの反転中
ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・クロノグラフ、裏面のアップ
もちろん、ここまでの話はまだ半分に過ぎない。ケースを反転させるとクロノグラフ側の文字盤が出現し、さらにスケルトンデザインがその新Cal.860をアピール。旧型のCal.859と構造的には酷似しているが、新ムーブメントはクロノグラフ機能とともに時刻を第2ダイヤルに表示している。中央のクロノグラフ秒針は60秒計を中心に回転し、6時位置にはレトログラード式のミニッツカウンターを配している。またムーブメントに施されたコート・ド・ジュネーブ仕上げのブリッジをスケルトン文字盤からはっきりと堪能できるのもポイントだ。SSケースの場合、クールでまとまりのあるモノトーンルックに仕上げているが、一方のRGケースでは色調のメリハリがなくなり、文字盤が少し騒がしいように感じる。

7時位置のコラムホイール(水平クラッチでもある)を見ていると充足感が得られる。目の錯覚だとは思うが、クロノグラフにかかわる機構の感覚を、より体感できるのだ。ムーブメントのブルースクリューと青焼き針もマッチしていて、デザイン全体にまとまりを持たせている。Cal.860は2万8800振動/時で振動し、約52時間のパワーリザーブを確保している。

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・クロノグラフ、ローズゴールドモデル
ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・クロノグラフ、ローズゴールドモデルの反転中
ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・クロノグラフ、ローズゴールドモデルの裏面
レベルソ・トリビュート・クロノグラフは私の頼りない手首にもよくなじんでくれて、この薄さが大きなケースの形状をカバーしていた。なんだかキットカットのバーを何本もつけているような気分だ。SS、RGのバージョンともにアルゼンチンの伝統的なポロブーツメーカーであるカーサ・ファリアーノ社(チャールズ王が身に着けるようなブランド)製の、キャンバスとレザーのコンビネーションとオールレザーの2本のストラップで提供。JLCは今回、SSとゴールドの両方にキャンバスレザーのストラップをセットして発表している。SSクロノグラフでは効果的だったし、このような形で身につけたいと思ったのだが、RGのほうはドレスアップした時計をドレスダウンさせようとするあまり、スーツに白いスニーカーを履くオヤジのように少し頑張りすぎているように感じた。

ここまで読んでいただけたらおわかりかと思うが、見た目だけでなく価格も含めて、私はSS製のほうがずっと気に入った。SS製のレベルソ・トリビュート・クロノグラフは321万2000円、RGモデルは563万2000円(ともに税込)となっている。高値ではあるが、高級な自社製クロノグラフの水準からは大きく外れてはいないため比較対象が思い浮かばない。またブティックのみの展開となり、発売当初から入手が困難なようだ。私にとってSS製クロノグラフとは真のスポーツウォッチ(ダイバーズやフィールドウォッチ、ジェンタデザインの時計)とオールドスクールなドレスウォッチの境界線を完璧に超えており、両者のあいだに位置するドレススポーツウォッチというジャンルを定義、または再定義している(新しいショパールのL.U.C 1860などもこれにあたる)。

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・クロノグラフのリストショット
私はレベルソ・トリビュート・クロノグラフを、Watches & Wondersで真に驚かされたものと呼んでいる。レベルソ・クロノグラフ自体が驚きなのではなく(以前にも存在していたから)、JLCとレベルソが持つ両面のよさ、つまりシンプルで時間表示だけの歴史と、JLCを真の時計メーカーとして際立たせる超複雑な時計製造(ジャイロトゥールビヨンやクアドリプティック)のバランスがとれていて、それがうまく表現されているからだ。レベルソ・トリビュート・クロノグラフは、JLCが誇る時計製造のすべてを美しくも身につけられるパッケージへ凝縮している(もしくは、あったとしても人に気付かれないくらい目立たないものにしている)。クラシックなドレスウォッチをモダンにアレンジしたモデルでありながら、もう一方で素晴らしい新型クロノグラフキャリバーを披露しているのだ。

JLCの両面を見せる、それこそがレベルソを完璧に使いこなすことなのだという風に。

ブライトリング アビエーター クロノグラフのまったく新しいコレクション、クラシック アヴィ クロノグラフ 42の新作が発表。

2021年に発売された兄弟分であるスーパー アヴィ 46mmと同様、これらの新しいリリースも4機の伝説的な航空機に敬意を表している。デザインを気に入っていながらもやや小振りな時計を好む人のために、より一般的に着用できるサイズが提供されたのだ。

新作はそれぞれの航空機にちなんで、数種類のカラーバリエーションを用意している。F4U コルセアはブルーダイヤルとスティールベゼルモデル、P-51 マスタングはブラックダイヤルにSSベゼル、ブラックダイヤルにローズゴールドケースの2種類、カーチス ウォーホークはグリーンダイヤルにSSベゼル、そしてデ・ハビランド社のモスキートはブラックダイヤルにホワイトのカウンター、ポリッシュとサテン仕上げのブラックセラミックベゼルを組み合わせている。いずれもラチェット式の双方向回転ベゼルを備え、フォールディングバックル付きのカーフスキンレザーストラップ(ラグ幅は22mm)、またはバタフライクラスプ付きのSS製5連ブレスレットが付属する。

新作はすべて約48時間のパワーリザーブを持つ、自動巻きのブライトリング Cal.23を搭載。4分の1秒クロノグラフ、30分積算計、12時間積算計を有している。これらのムーブメントはSS(または18KRG)のケースに納められており、サイズは直径が42mm、厚みが14.7mm、ラグからラグまでの長さは48mmとなっている。また100mの防水性、ソリッドな裏蓋、そして各モデルとリンクした航空機のエングレービングを施している。
スーパー アヴィ B04 クロノグラフ GMT 46 モスキート ナイトファイター。

これらの商品(42mm)に心打たれなかった人のために、ブライトリングはスーパー アヴィとコ・パイロットシリーズ(編集注記:新作のモデル名は初代と同じREF.765 アヴィとなっている)のふたつの新しい時計も登場している。まずひとつ目はブラックセラミック製のスーパー アヴィ B04 クロノグラフ GMT 46 モスキート ナイトファイターで、46mm×15.9mmという存在感を放つ大きさに。COSC認定のブライトリング マニュファクチュール Cal.B04を搭載し、約70時間のパワーリザーブ、コラムホイール/垂直クラッチ式クロノグラフ、時・分・秒、デイト、そして第2タイムゾーンを備えている。またチタンとサファイアでできたシースルーバックを採用している。

最後のニューモデルは、シンプルでクラシックな41mmの逆パンダクロノグラフ、アヴィ REF.765 1964 リ・エディションだ。アモルファスダイヤモンドライクカーボン(ADLC)コーティングされたSSベゼルを備えている。この時計は手巻きのコラムホイール、垂直クラッチのブライトリング・マニュファクチュール Cal.B09を搭載し、約70時間のパワーリザーブを実現し、より現代的で信頼性の高いムーブメントでありながら、ヴィンテージスタイルの1本を手に入れることができる。なお裏蓋はスナップ式のSS製ソリッドケースバックを採用し、防水性は30mだ。

価格はクラシック アヴィモデルが66万円から、F4U コルセアモデル(SSブレス)が69万8500円、スーパー アヴィ B04 クロノグラフ GMT 46 モスキート ナイトファイターが151万2500円で、そしてアヴィ REF.765 1964 リ・エディションが164本の限定生産で105万500円(すべて税込)となっている。

ああ、これらの新作には解き明かすべきことがたくさんある。まずは新しいものから始めたからそれについて取り掛かろう。

背の高い私は友人から 、大きな時計をつけた方がいいとよく言われるのだが、ブライトリングのスーパー アヴィ クロノグラフは、私の個人的な好み(それと7.25インチ/約18.4cmの手首)的に大きすぎるといつも思っていた。そんななかこの新しいクラシック アヴィ クロノグラフ 42は、頑丈なツールのアビエータークロノグラフのような伝統的なサイジングには合わないかもしれないが、しかしすべてがクラシカルな完全再現であることはなく、現代の市場や好みに合わせる必要があるのだ。また業界ではしばらくのあいだ、腕時計のサイズを大きくしてきた経緯があったが、このつけ心地のいい選択肢が増えたことは単純にうれしいことだ。

私は普段ブレスレット派だが、クラシックなスタイルの時計においては、上の写真のウォーホークやモスキートのようなストラップに引かれる可能性が高い。どれも美観的には素晴らしいパッケージのように思える。つけたときの感触が楽しみだ。小振りなクラシック アヴィモデルがおよそ70万円というのは、(ユーザーが)ブライトリングに期待しているとおりの価格だと思うし、しかもこのサイジングによってより多くの人の手首に合うようになるだろう。

最後の2モデルについては、ブライトリングが表と裏の正面2枚ずつしか写真を提供していないため判断を下すのが難しい。今はブラックセラミック(またはどんなセラミックでも)が大流行しているようだし、新しいスーパー アヴィの需要は間違いなくあると思う。個人的にはあの時代のパイロットクロノグラフが大好きだから、アヴィ REF.765 1964 リ・エディションのほうに興味がある。ただ164本だけしか製造されないため、きっと私が実機を目にする前に売り切れてしまうのだろう。

基本情報
ブランド: ブライトリング(Breitling)
モデル名: クラシック アヴィ クロノグラフ 42/P-51 マスタング/トリビュート トゥ ヴォート F4U コルセア/カーチス ウォーホーク/モスキート(Classic Avi Chronograph 42/P-51 Mustang/Tribute To Vought F4U Corsair/Curtiss Warhawk/Mosquito)、スーパー アヴィ B04 クロノグラフ GMT 46 モスキート ナイトファイター(Super Avi B04 Chronograph GMT 46 Mosquito Night Fighter)、アヴィ REF.765 1964 リ・エディション(Avi REF. 765 1964 Re-Edition)
型番: P-51 マスタング…A233803A1B1A1、A233803A1B1X1、R233801A1B1R1、R233801A1B1X1、トリビュート トゥ ヴォート F4U コルセア…A233801A1C1A1、A233801A1C1X1、カーチス ウォーホーク…A233801A1C1A1、A233801A1C1X1、モスキート…Y233801A1B1A1、Y233801A1B1X1、スーパー アヴィ…SB04451A1B1X1、アヴィ REF.765 1964…AB09451A1B1X1

直径: 42mm(クラシック アヴィ)、46mm(スーパー アヴィ)、41mm(アヴィ REF.765 1964)。
厚さ: 14.7mm(クラシック アヴィ)、15.9mm(スーパー アヴィ)、14.05mm(アヴィ REF.765 1964)。
ケース素材: ステンレススティールまたはローズゴールド(クラシック アヴィ)、セラミック(スーパー アヴィ)、ステンレススティール(アヴィ REF.765 1964)
文字盤: ブルー、ブラック、逆パンダ、グリーン(クラシック アヴィ)、ブラック、コントラストカラーのアンスラサイトのクロノグラフカウンター(スーパー アヴィ)、逆パンダ(アヴィ REF.765 1964)。
インデックス: アラビア数字またはバーインデックス
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 100m(クラシック アヴィとスーパー アヴィ)30m(アヴィ REF.765 1964)
ストラップ/ブレスレット: レザーストラップまたはブレスレットオプション(クラシック アヴィ)、ラグ幅24mmのブラックミリタリーカーフスキンレザーストラップにチタン製フォールディングクラスプ(スーパー アヴィ)、ブラックのヴィンテージ風レザーストラップにピンバックル(アヴィ REF.765 1964)

The Classic AVI P-51 Mustang
ムーブメント情報
キャリバー: ブライトリング 23(クラシック アヴィ)、ブライトリング マニュファクチュール B04(スーパー アヴィ)、ブライトリング マニュファクチュール B09(アヴィ REF.765 1964)
機能: クラシック アヴィ…時・分・秒、振動ピニオン、4分の1秒クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)、スーパー アヴィ…時・分・秒、日付、セカンドタイムゾーン、コラムホイール、垂直クラッチ、4分の1秒クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)、アヴィ REF.765 1964…時・分・秒、コラムホイール、垂直クラッチ、4分の1秒クロノグラフ(15分積算計、12時間積算計)
直径: 30mm(すべて)
厚み: 7.9mm(クラシック アヴィ)、8.33mm(スーパー アヴィ)、6.73mm(アヴィ REF.765 1964)
パワーリザーブ: 約48時間(クラシック アヴィ)、約70時間(スーパー アヴィとアヴィ REF.765 1964)
巻き上げ方式: 片方向巻き上げ式の自動巻き(クラシック アヴィ)、ボールベアリングによる両方向回転式自動巻き(スーパー アヴィ)、手巻き(アヴィ REF.765 1964)
振動数: 2万8800振動/時(すべて)
クロノメーター: あり、COSC認定済み(すべて)

価格 & 発売時期
価格: クラシック アヴィ クロノグラフ 42…P-51マスタングはSSモデルが66万円(レザーストラップ)と69万8500円(SSブレス)、RGモデルが249万1500円(レザーストラップ)と486万2000円(RGブレス)/トリビュート トゥ ヴォート F4U コルセアは66万円(レザーストラップ)と69万8500円(SSブレス)/カーチス ウォーホークは66万円(レザーストラップ)と69万8500円(SSブレス)/モスキートは68万2000円(レザーストラップ)と71万5000円(SSブレス)、スーパー アヴィ B04 クロノグラフ GMT 46 モスキート ナイトファイターは151万2500円、アヴィ REF.765 1964 リ・エディションは105万500円(すべて税込)
発売時期: 発売中
限定: アヴィ REF.765 1964のみ164本限定