オーデマ ピゲは本日、新しい23mmの“ミニ オーク”コレクションを発表した。

イエロー、ピンク、ホワイトの3本のバリエーションがあり、すべてフロステッドゴールド仕上げが施されている。古代フィレンツェのジュエリーテクニックにインスパイアされたこの仕上げは、ジュエリーデザイナーのキャロリーナ・ブッチ(Carolina Bucci)氏によって初めて実現され、2016年にオーデマ ピゲが彼女とのコラボレーションでロイヤル オークに取り入れたものである。

Royal Oak Mini trio
新しいミニ オークモデルは23mmという小さなサイズに多くのデザインを詰め込んでいる。フロステッドゴールドのダイヤモンドダスト効果は、八角形のベゼルやテーパーブレスレットの個々のリンクを縁取る、ポリッシュ仕上げの斜面と対照的だ。ケースとブレスレットの側面にはサテン仕上げが施されており、この小さなピースにさらにテクスチャーを加えるほか、ソリッドな裏蓋はサンドブラスト、サテン、ポリッシュの仕上げを組み合わせてケースデザインと呼応させている。時計には色を重ねたプチ タペストリーダイヤルを採用し、夜光塗料が塗布されたゴールドの時刻表示インデックスがケースの色にマッチしている。針はやや太めで、APのオフショアダイバーズをほうふつとさせるデザインであり、オーデマピゲ スーパーコピー代引きこれは視認性とバランスを考慮していると思われる。12時位置のオーデマ ピゲのサインはカルトゥーシュ(楕円形の装飾的な枠)の上にブラックでプリントされ、日付表示とセコンド機能は省略。これもまた視認性を高めつつ、ダイヤルをできるだけシンプルに保つためである。

1997 20mm Royal Oak
1997年製、20mmのミニ ロイヤル オーク 67075BA。RO史上最小のサイズだ。Image: Courtesy of AP.

ロイヤル オークミニウォッチのトリオは、Cal.2730によって駆動する。これは7年以上のバッテリー寿命を持つクォーツムーブメントだ。さらにCal.2730には“スイッチ”が装備されており、リューズを引くだけでバッテリーを一時的に無効にできる。またこのミニウォッチは50mまでの防水性を備えている。

理論上、ロイヤル オークを“縮小”することはそれほど革新的に見えないかもしれないが、このミニは単なる縮小版ジャンボではなく、また20世紀の20~29mmの先代モデルを再現したものでもない。小型化の仕様は、現在の消費者の需要に直接応えたものであり、デザインも現代のコンテクストに合わせて更新されている。APは、最も成功した現代の“女性用”リリースのひとつ(自動巻きの限定モデルである、キャロリーナ・ブッチの37mm ロイヤル オーク フロステッドゴールド)の要素を取り入れ、同じフロステッドゴールド仕上げを実現している。これはダイヤモンドチップを使用してゴールドの表面に微小な凹みを作ることで、貴石のような輝きを生み出す効果を持つ。さらに、宝石は一切使われておらず、これらの時計は徹底的に現代的な手法で製作されている。

Royal Oak Minis
我々の考え
スモールウォッチがトレンドになっている。このことは、時計愛好家のあいだでは驚くべきことではないだろう。そして、明らかにブランドも消費者の要望に耳を傾けている。女性と時計に特化したプラットフォーム、ダイムピースの創設者であるブリン・ウォルナー(Brynn Wallner)氏は、小型時計の革命に大きく貢献した。ウォルナー氏はスモールウォッチ復活の大きな進展に対して、大いに称賛されるべきである。彼女のアプローチは遊び心に満ちており、“TTRO(ティーニー・タイニー・ロイヤル オーク)”という略語も定着した。しかし彼女は、若くてファッション志向の強い層が着用したいと望むサイズの時計市場にギャップがあることを鋭く見抜いていた。

この時計は誰のためのものか? と問うならば、それは非常に時代遅れの性別二元論と現代の流動的なファッション用語とのあいだにある、無意味な押し問答に過ぎない。率直に言って、誰でも好きなものを身につけるべきであり、そのような考えを推奨したとして非難されるべきではない。“すべての時計はユニセックスであるべき”という議論に対するコメント欄の疲労感にもかかわらず、ジュエリーや装飾品は広範な文化的規範を深く反映している。それが2024年の現実であり、ファッション業界においてサイズと流動性の問題はより大きなスケールで存在している…単にトリクルダウン効果を見ているに過ぎない。そして率直に言えば、これこそ私たちが求めていたものであり、そのためこの議論は依然として重要である。

Royal Oak Mini and 37mm
おそらく、性別の層を離して考えれば、真の問題は時計デザインの均質性にあるだろう。同じように見えるブランドが多すぎるのだ。それゆえ、ポップスターや俳優が、目立つために小さめの“レディス”デザイン重視の時計に目を向けるのも無理はない。小さな時計をつけるのは手軽であり、精神的にはジュエリーに近い。ここで重要なのはケースの内部に焦点を当てることではなく、時計をもっと軽やかで装飾的なものとして楽しむことである。最終的に、この時計(そしてどの時計も)はアクセサリーなのだ。それを認めるのはまったく問題ない。伝統や技術的な複雑さを愛し尊重することも、小さなクォーツ駆動のデザインウォッチを評価することもできる。私たちは一方を選ぶ必要はないのだ。

Royal Oak Mini on wrist
ロイヤル オークの信奉者たちは、ミニサイズの導入を間違いなく歓迎するだろう。ロイヤル オークはジェンタデザインの永続的なシンボルであるだけでなく、時計愛好家コミュニティ外の人々にも広く認識されているデザインだ。時計の世界から遠く離れた友人たちが、購入を検討している時計の写真を送ってくることがあるのだが、その約75%がミニサイズのヴィンテージロイヤル オークだと言っても過言ではない。このミニサイズは単なる楽しいリリースではなく、賢明なビジネス上の決断でもある。今後もスモールウォッチの火を絶やさないようにしたいと思う。

基本情報
ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: ロイヤル オークミニ フロステッドゴールド クォーツ(Royal Oak Mini Frosted Gold Quartz)
型番: 67630BA.GG.1312BA.01(イエローゴールド)、67630OR.GG.1312OR.01(ピンクゴールド)、67630BC.GG.1312BC.01(ホワイトゴールド)

直径: 23mm
厚さ: 6.6mm
ケース素材: 鍛金加工による18Kイエローゴールド、18Kピンクゴールド、18Kホワイトゴールド
文字盤: プチ タペストリー
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: 鍛金加工による18Kゴールド製一体型ブレスレット、APフォールディングバックル

ムーブメント情報
キャリバー: 2730
機能: 時・分
直径: 15.7mm
厚さ: 2.2mm
パワーリザーブ: 約94カ月
巻き上げ方式: クォーツ
振動数: 3万2768振動/秒
石数: 4

価格 & 発売時期
価格: 473万円(税込)
発売時期: 2024年6月1日

チューダーのダイバーズクロノグラフにふさわしい、クラシックなカラーウェイだ。

スペックや技術的な詳細は、既存のブラックベイ クロノから変更されていない。つまり、41mmのスティールケースで厚さは14.4mm、ラグからラグまでの長さは49.8mmである。ベゼルはアルミニウム製インサートを備えた固定式で、防水性能は200m。そして“ブルーブティック”には、チューダー独自のT-Fitを搭載したSS製の5連ブレスレットが装着されている。

内部には、過去のブラックベイ クロノでも採用されていたMT 5813ムーブメントが引き続き搭載されている。これはブライトリング B01をベースにした2万8800振動/時(4Hz)の、コラムホイール式垂直クラッチ自動巻きムーブメントだ。また約70時間のパワーリザーブ、6時位置の日付表示、そして45分積算計のクロノグラフも備えている。

人気のチューダー スーパーコピー代引き専門店!ブラックベイ クロノ ブルー ブティックエディションの定価は79万2000円(税込)で、世界各地のチューダーブティックで販売される予定である。

我々の考え
誤解を恐れずに言えば、もし“ブルーのブラックベイ クロノは存在するか?”と聞かれたら、答えを確信するのに5秒もかからなかっただろう。それほどクラシックなカラーであり、チューダーが新作を発表する際に早い段階でよく使用する色だからだ(ヘリテージ クロノ ブルー、ブラックベイ ブルー、ペラゴス FXD MN21など)。それほどまでにチューダーのラインナップでは定番のカラーだが、今回ブラックベイ クロノのブルーバージョンが登場するのは初めてである。そしてとても素晴らしい仕上がりだと僕は思う。ブラックよりも落ち着いていて、ホワイトダイヤルよりも控えめであると感じる。

要するに今回の話はこうだ。ブラックベイ クロノは基本的に同じだが、今回はブルーバージョンが登場したということ。色合いはミディアムダークでサンレイ仕上げ、シルバーのインダイヤル、そしていくつかの小さな赤いアクセントが特徴だ。全体として、BBクロノの外観は予想どおりとはいえ素晴らしいもので、スティールとブルーの組み合わせを引き締めるテーパードされた5連ブレスレット(T-Fit付き)が特に気に入っている。

なお(ジュネーブ・ウォッチ・デイズ開催中の)今週は、これが数日間のうち発表される唯一の新作ではないので、引き続き注目して欲しい。

基本情報
ブランド: チューダー(Tudor)
モデル名: ブラックベイ クロノ “ブルー” ブティックエディション(Black Bay Chrono “Blue” Boutique Edition)
型番: M79360B-0002

直径: 41mm
厚さ: 14.4mm
ラグからラグまで: 49.8mm
ケース素材: 316Lステンレススティール
文字盤: ブルー
夜光: あり、針とインデックス
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: “T-fit”クイックアジャストクラスプ機能付きの5連SSブレスレット

tudor chrono blue
ムーブメント情報
キャリバー: チューダーマニュファクチュールMT5813
機能: 時・分・スモールセコンド、日付表示、クロノグラフ(45分積算計)
直径: 30.4mm
厚さ: 7.23mm
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 41
クロノメーター: あり、COSC認定(さらにチューダーが日差-2~+4秒の精度を保証)
追加情報: 非磁性シリコン製ヒゲゼンマイ

価格 & 発売時期
価格: 79万2000円(税込)
発売時期: 全国各地のチューダーブティックにて販売
限定: なし

市場に新たに登場したロレックス “キング・サブ”、

ひとつ目はクラーズに出品されたカルティエ ロンドン デカゴンだが、こちらは4万ドル(日本円で約570万円)で落札された。サービスダイヤルにもかかわらず意外にも高額な結果となった。ふたつ目はeBayに登場したギュベリンのホワイトゴールド製ドレスウォッチで、これは2425ドル(日本円で約35万円)に到達した。なおボーゲル製ケースを持つユニバーサル・ジュネーブは、出品者が紛失または破損などを理由に販売を取り下げたが、個人間で取引を成立させた可能性が高い。

では、ピックアップを見ていこう。

ロレックス サブマリーナー Ref.6200 “エクスプローラーダイヤル”、1954年製
今週最初に紹介するのは大物だ。Ref.6200のサブマリーナーは“キング・サブ”の愛称で知られており、それには十分な理由がある。8mmという初の“ビッグクラウン”を備え、やや大きめで厚みのあるケースにより、初めて200mの防水性を実現したサブマリーナーである。重要な点を少しあと回しにしよう。ケースとリューズのディテールだが、この“キング・サブ”という愛称は主にダイヤルに由来している。ロレックス時計コピー 代金引換優良サイト!エクスプローラーダイヤルのサブマリーナーは誰もが魅了されるものだ。

このRef.6200は約300本製造されたと考えられている。さらに掘り下げると、6200には大きなロゴと小さなロゴの2種類のダイヤルが存在し、市場では大きなロゴが多く、小さなロゴは“SUBMARINER”の表記がないものがほとんどだ。今回のように6時位置に“SUBMARINER”が入った小さなロゴはきわめて希少である。最後にこのダイヤル付きの“キング・サブ”が公に販売されたのは2007年(!)のクリスティーズで、エスティメートの倍以上である17万6200スイスフラン(当時の相場で約1730万円)で落札された。

この“キング・サブ”のオリジナルオーナー。

販売元であるサブダイアル(Subdial)の人々が、この時計をいち早く教えてくれた。つまりBring A Loupe読者の先行アクセスというわけだ。このモデルは希少なダイヤルバリエーションという以上に特別な存在である。市場に初めて登場したのは、故イギリス海軍士官の遺族から譲り受けたもので、ダイヤルと針はすべてオリジナルだ。ダイヤルと針の夜光もオリジナルですべて一致している。ベゼルとブレスレットはロレックスのサービス交換品だが、ケースはしっかりとしているように見える。

このロレックス サブマリーナー Ref.6200は、ロンドンのサブダイアルで販売中だ。価格は応相談となっており、詳細を知りたい場合はsupport@subdial.comに問い合わせを。

カルティエ シャッターパースウォッチ、1930年代製

時計探しの神々は不思議な働きをすることがある。希少なジェムセットのパテック ノーチラスが政府の差し押さえ資産オークションで出たり、カリフォルニアの小さなオークションハウスでカルティエ ロンドンの時計が見つかったりする。ボナムスという名は時計オークション界で知られているが、まさか1930年代のカルティエ パースウォッチがオンラインセールに紛れ込んでいるとは思わなかった。それでもこうして見つかったわけだ。

これらシャッター、または“エクリプス”とも呼ばれるパースウォッチは、市場に出ることが少ない。オブジェとしてはかなり楽しい。遊び心に富んでいて、以前紹介したカルティエサイン付きのモバード エルメトと同様に、バッグに入れて持ち運ぶことを想定している。バッグのなかでほかの持ち物とぶつかったとしても、時計の文字盤と風防はバネ式のシャッターで保護されている。時間を確認したいときはバッグから取り出し、両端のボタンを中央に押し込むとシャッターが魔法のように開き、クラシックなカルティエのダイヤルが現れる。そしてまたバッグに戻して出かけられる。

ヴィンテージカルティエへの高まる需要、特にユニークな時計に対する市場の関心を考えると、このパースウォッチはオンラインセールでも十分に注目を集めるだろう。ただ全体的に見ると、こうしたユニークなパースウォッチは、ヴィンテージカルティエを手に入れる最良の方法のひとつだ。特にこの時計は1930年代に手作りされたものなのだ。

カルティエ シャッターパースウォッチは、ボナムスのWeekly Watches New Yorkセールのロット2071として出品されており、オークションは9月25日(水)の正午(アメリカ東部標準時)に終了する予定だ。公開時点での入札額は420ドル(日本円で約6万円)で、推定価格は1000ドルから2000ドル(日本円で約14万5000~29万円)となっている。

ヴァシュロン・コンスタンタン ヒストリーク Ref.48100/000R-3 “トゥール・ド・リル”、1990年代製

オンラインオークションからもうひとつ、隠れた逸品を紹介しよう。これはクリスティーズ・香港に出品された、非常に魅力的なネオヴィンテージのヴァシュロンである。ヴァシュロンヒストリークのラインナップ、特に1990年代のモデルにはいつも感心させられる。昨年のイベントでヴァシュロンのスタイル&ヘリテージディレクター、クリスチャン・セルモニ(Christian Selmoni)氏とこの時代のブランドの歴史について話をした際、多くのリファレンスがつくられたものの、各モデルの生産量は非常に少なかったことが確認され、私の予感が裏付けられたようだ。

このネオヴィンテージのヒストリークコレクションは、Ref.48100/000R-3 “トゥール・ド・リル”である。少し説明すると、このモデル名は1219年に建てられた城の、唯一残った部分であるジュネーブの塔に由来している。ヴァシュロンは1842年から1875年までこの塔を工房として使用していた。すごい話だろう? なおこの塔は現在も見学することができる。

さて、この時計は直径31.5mmのローズゴールド製ドレスウォッチで、特徴的なコルヌ・ドゥ・ヴァッシュラグを備えている。ダイヤルはきわめてシンプルでありながら、パワーリザーブインジケーターと日付表示機能が小さなスペースへと巧みに配置されている。これらの機能を示すインダイヤルにはギヨシェ装飾が施されており、ちょっとしたアクセントになっている。

このネオヴィンテージヴァシュロンは、クリスティーズ香港のWatches Online: Featuring ‘The Collectibles’ Part 1セールのロット159だ。オークションは9月24日(火)午前4時(アメリカ東部標準時)に終了する予定である。現在の入札額は3万5000香港ドル(日本円で約65万円)で、エスティメートは3万2000香港ドルから6万5000香港ドル(日本円で約59万~120万円)となっている。

アバクロンビー&フィッチ ツインタイム バイ ホイヤー、1950年代製

先週のコラムに関連して、アバクロンビー ツインタイムは本当に希少な時計だ。この時代のアバクロンビーモデルを注意深く追っているのだが、これまでに確認しているのは2本だけだ(こちらとこちら)。だからこそ、最新のジョーンズ&ホーランオークションのカタログを見て、この時計、つまり私が知る3本目の個体をすぐに認識したときの驚きと興奮は想像に難くない。

潮の動きを追跡するシーファーラークロノグラフと同様、ツインタイムはデイヴィッド・アバクロンビー(David Abercrombie)とホイヤーの共同開発によるものだと考えられる。アバクロンビーという人物は、アウトドア好きなアメリカの顧客に最高の製品を届けることにとても熱心で、スイスに定期的に足を運び、ホイヤーなどのブランドに顧客が求める機能のほか、役立つと思われる機能を時計に搭載するよう依頼していた。ツインタイムのインナー回転ベゼルは、ヴィンテージワールドタイマーと同じような方法で第2時間帯を把握することができる。

ジョーンズ&ホーランで出品されているこのツインタイムは完璧ではないものの、全体的にいい外観を保っている。実物で見たほかの例と比較すると、ダイヤルのパティーナ(ここで見るほどではないが)は似ているが、こちらのほうがやや強い印象だ。それでもその風合いは非常に魅力的である。希少な時計においては、状態が完璧でなくてもそれが大きな問題とはならない場合がある。

このA&F ツインタイムは、2024年10月10日(木)午前11時(アメリカ東部標準時)に開催されジョーンズ&ホーランのFeatured Auction w/LIVE CLOSE: Horology, Jewelry, & Coinsセールのロット146として出品。公開時点での事前入札は2000ドル(日本円で約29万円)で、推定価格は3000ドルから6000ドル(日本円で約43万~86万円)となっている。

ベンラス ウルトラディープ Ref.6086、1960年代製

私はヴィンテージウォッチコレクターのなかでも、shopgoodwill.com(アメリカを中心に展開する非営利団体のリサイクルショップ)をくまなく探す人たちに特別な思い入れを感じる。リサイクルショップ、特にGoodwillからは、ヴィンテージウォッチ収集史上最高の発見が生まれてきた。ルクルトのディープ シー アラームやブランパンのフィフティ ファゾムスがその好例だ。こうした話に影響されてか、Goodwillは寄付されたヴィンテージウォッチをオンラインオークションに出品するようになった。今日のGoodwillでの発見は、これほど伝説的ではないものの、それでも予想外の場所で見つかった素晴らしい時計である。

ベンラス ウルトラディープは、1960年代半ばから後半にかけて製造された、一般大衆向けの純粋なツールダイバーズウォッチである。同時期にベンラスがアメリカ軍にタイプ1ダイバーを供給していた一方で、ウルトラディープは商業用に販売されていた。この時計はエルヴィン・ピケレ(EPSA)社製のスーパーコンプレッサーケースに収められるなど、きわめて技術的に優れている。EPSAケースは当時としては最先端技術であり、多くのブランドが採用していた。ホイヤー、エニカ、そして数週間前のBring A Loupeで取り上げたランコもその例だ。同ケースは時計が深く潜水するほど、防水性が高まる設計になっている。潜水中に外部圧力が増すと、バネ仕掛けの裏蓋が内部のガスケットを押し、より強固な密閉状態をつくりだすという仕組みだ。

オレゴン州のGoodwillストアが、このベンラス ウルトラディープをオークションに出品しており、終了は9月21日(土)の午後9時3分(アメリカ東部標準時)だ。公開時点での入札額は802ドル(日本円で約11万5000円)となっている。詳細はGoodwillの親しみやすいウェブサイトでご確認を。

ミモ ヘルマン・ホルマンが販売した“クラムシェル”、1930年代製
eBayで何気なくスクロールしていたときにこの時計と出合った。初期の“防水”ケースと素敵に経年変化したダイヤルが目に留まったが、さらに深く調べていくうちに本当の魅力に気づいた。まず注目すべきはそのコンディションだ。これこそ1930年代の“新古品”の時計が持つべき外観だろう。ヴィンテージウォッチの状態を学ぶにはこのような例を見るのがいいし、可能であれば実物を手に取ることが理想だ。ケースのシャープさとさまざまな仕上げは、ポリッシュはおろか、未使用の時計に求められるものである。この状態の素晴らしさをさらに際立たせているのは、オリジナルの商品タグが付いていることだ。タグにはケース内部のシリアルナンバーが刻印されており、まさにコレクターにとって魅力的なポイントとなっている。

これだけでも入札する理由としては十分であり、オークションの最後まで見守る価値があるが、まだその時計の製造元やダイヤルの名前には触れていない。まず、時計を製造したのはミモだ。このケース構造は“クラムシェル”と呼ばれる。ムーブメントを保持する裏蓋が上部ケース内で圧力をかけて固定され、ラグの裏側にある4本の斜めに配置されたネジでしっかりと固定されている。いくつかのブランド(タバン、ギャレットなど)は、このスタイルの“防水”ケースを採用した時計を製造しており、ケースはスクエアやラウンドがあった。今日ではミモはあまり知られていないブランドだが、当時の時計業界では非常に重要な存在であった。特にミモメーターは、1930年に初めて3時位置に日付窓を持つ時計として登場し、その革新性で注目された。

ではダイヤルの名前はなにかというと、ヘルマン・ホルマンは20世紀初頭にドイツのライプツィヒで創業した時計小売店である。ホルマンはさまざまなブランドの壁掛け時計や腕時計を販売しており、多くはダイヤルに小売業者のサインのみが刻まれていた。ホルマンのサインが入った時計は、1945年以降だとほとんど見つからない。この調査を進めるうちに、ホルマンの子孫が情報や家族写真を共有しているドイツの時計フォーラムにたどり着いた。

ともかく、この時計は素晴らしいコンディションで、その背景にはとても興味を引かれるストーリーがある。“新古品”の時計という観点から見ると、これまでの歴史がたくさん詰まっている一品だ。

史上最高のトゥールビヨンウォッチ3本が今週一挙に登場

もし街で私に近づいて、「ねえ、ベン、1990年代に作られた最高の時計は何?」と尋ねられたなら、私は迷わずこう答えるだろう。「A.ランゲ&ゾーネのトゥールビヨン“プール・ル・メリット”だ」と。そしてさらに、「ねえ、ベン、君が実際につけてみたい、あるいは所有したいトゥールビヨンウォッチがあるとしたらどれ?」と聞かれたとしても、やはり私はこう答えるだろう。「A.ランゲ&ゾーネのトゥールビヨン“プール・ル・メリット”だ」と。

ランゲの再出発の後光がさしたのは、まさにトゥールビヨン“プール・ル・メリット”であった。

確かに、私はこの時計がたまらなく好きだ。多くの人がPLM(プール・ル・メリット)と呼ぶこの時計は、1994年に発表されたランゲの初期コレクションの一部であり、ランゲ1がその後さらに進化を遂げたことは否定できないものの、純粋なトゥールビヨンに関して言えば、オリジナルのPLMほど時計マニア(つまり、私のような“マニア”)に訴えかけるモデルはまだ出ていないように思う。オリジナルのフュゼチェーン機構、38.5mmのケース径、完璧な対称性。そしてドイツ時計の最高峰としての系譜に加え、ジュリオ・パピ(Giulio Papi)やルノー・エ・パピ(Renaud et Papi)でキャリアを積んだ、歴史的なスイスの名職人たちとのつながりもある。実際、ウォルター・ランゲ(Walter Lange)自身も特別な機会にのみこの時計を身につけるほどだった。私にとって、これ以上の時計はない。

だが、実はこのPLMが今あまり注目されていないのだ。今週から来週にかけてジュネーブで3本のPLMが出品される予定であるため、皆にもぜひ知っておいてもらいたい。

PLM Hero
A.ランゲ&ゾーネスーパーコピー 代引きの“プール・ル・メリット”シリーズ。

まず、出品される3本の時計について触れる前に、“プール・ル・メリット”がランゲにおいてどういう存在かを理解しておくことが重要だ。そしてそれを知るには、2017年のHODINKEEに掲載されたこの記事以上の資料はないだろう。歴史的に見れば、PLMコレクションの時計はランゲのコレクターたちにとってまさに“山の頂上”とされてきた。だが最近ではブランド自身も新しい世代の購入者も、このコレクションに以前ほど焦点を当てていないように思う。

それでも、オリジナルのトゥールビヨンPLMは、私にとって現代最高のトゥールビヨンだ(あるいは、少なくともトップ2には入るだろう。もうひとつはもちろん、ジュルヌの“トゥールビヨン・スヴラン”だ。ちなみにこの2本の時計は、2016年に書いた“トゥールビヨンを嫌う男性(または女性)のための7つのトゥールビヨン”という記事でも大きく取り上げている)。しかし、この時計はかつてのような魅力を感じさせなくなってきているように思う。正直なところ、PLMは長年にわたって私の“究極の時計”であり続けてきた。それはおそらく2013年ごろからだろうし、それは今も変わっていない。実際、何度も購入に近づいたが、さまざまな理由でそのたびに指をすり抜けた。

参考記事: 1990年代のA.ランゲ&ゾーネの知られざる8つの事実

“1週間で3本も出品されるなら、いいPLMを見つけるのはそんなに難しくないんじゃないか?”と思うかもしれないが、そこには理由がある。6カ月前まで、最も一般的なイエローゴールド以外のトゥールビヨンPLMが市場に出回ることは極めてまれだった。私の見立てでは、2~3年に1回見るか見ないかの頻度であり、ほとんど手放す人がいなかったのだ。それが6カ月ほど前から、いくつかの個体が姿を見せ始めた。ここニューヨークのChrono24に、オリジナルオーナーが所有するプラチナモデルが出品されたのを発見し、売主と話をしたものの、提示価格があまりに高すぎた。さらに同じころ、ACM(A Collected Man)の友人たちもこの時計をリストに加えていた。そしてまた、ある有名なドイツのディーラーが3本目のプラチナPLMを販売リストに載せたのだ! 15年間この時計に注目してきたが、同時に3本のプラチナPLMが出品されるなんて、信じられなかった。にもかかわらず、それらは市場に出たまま長いあいだ動かなかった。最終的には売れたと思われるが、どれも40万ドル(日本円で約6160万円)以上、一部は50万ドル(日本円で約7700万円)以上という価格だった。売主に話を聞くとそれが問題だったのだ。購入希望者はいたが、売主が期待する価格帯には届かなかったのである。

私は混乱した。私の世代のランゲ愛好家にとって、PLMはランゲの王者だ! 友人であり同僚であり、次世代のランゲファンを代表する存在だと思っているHODINKEEのタンタン・ワンにメッセージを送った。彼のPLMへの反応は? “うーん、まあクールだとは思うけど”というものだった。彼にとっての興味は、むしろ今のランゲにあるらしい。ブランドの過去を尊重しつつ、未来へと進んでいくランゲとともに歩むことに重きを置いているようだ。

l1 onyx wristshot
ブランド誕生30周年を記念した新作、ランゲ1 オニキスダイヤル。

 “僕のような若いコレクターには、最近のランゲ1 オニキスダイヤルのような新作が、ランゲの歴史の一部に自分も加わっていると感じさせてくれる。オリジナルに対する敬意を感じつつも、異なるテイストがあるものを製作してくれると、ブランドの“黄金時代”を逃したという疎外感もなくなるし、ただブランドをコレクションするために現行品を買わなくても済む気がするんだ”と彼は語る。

タンタンのように、歴史的なモデル、たとえば希少な宝石セットの作品やイエロージャケット、初期のクローズドケースバック仕様のランゲ1などに興味を示さない現代のランゲ購入者は少なくない。だが私に言わせれば、それらのモデルもトゥールビヨンPLMも、まだまだこれから評価が高まっていくと思っている。

希少なランゲ トゥールビヨン“プール・ル・メリット”が3本、同じ街、同じ週に出品される
素晴らしい時計、特にランゲの時計が売りに出されていることを皆に知らせるのは、この上ない喜びだ。5年前、私は最高のランゲ1が3本販売されていると紹介したが、今回は最高のトゥールビヨンランゲが3本も出品されていることを伝えられることがうれしい。しかもすべてがオリジナルの“プール・ル・メリット”であり、最も一般的なYG製シルバーダイヤルは1本も含まれていない。実際には、異なる金属とダイヤルカラーの3本がそろっている。こんなラインナップがそろうのは前代未聞だ。

プラチナ製のトゥールビヨン“プール・ル・メリット” シルバーダイヤル(No.43/50)

ALS Tourbillon PLM Plat
Image: courtesy of Sotheby’s

では今回出品される時計について見ていこう。私が一番欲しくて、いつか手に入れたいと心から思っているPLMのバージョンを挙げるなら、このモデルだ。本作はプラチナケースにシンプルなシルバーダイヤルを備えたモデルで、50本限定で製造されたものだ。YGに次いで比較的流通しているモデルだが、少なくとも歴史的には市場に出回ることがきわめて少ない。というのも、これら50本は資金力のあるコレクターたちの奥深いコレクションに収まっており、市場に姿を現すことは何年もなかった。たとえウェブサイトに掲載されたとしても、即座に売れてしまう。今回サザビーズに出品されているのは、50本ある内の43番目で、フルセットが揃っているようだ(これは必ずしも当たり前ではない)。ただ保証書がサイン入りか未記入かについてはまだ確認していない。ランゲのセットでは、この点が重要な違いをもたらすことがあるようだ。推定価格は25万~50万スイスフラン(日本円で約4390万~8785万円)。詳細はこちらから。

ピンクゴールド製のトゥールビヨン“プール・ル・メリット” ブラックダイヤル(No.120/150)

PLM Tourb Pink Gold Black
Image: courtesy of Sotheby’s

サザビーズ・ジュネーブに出品されるもうひとつのモデルが、このブラックダイヤルを備えたPG仕様のPLMだ。特別なPLMのなかでは比較的見かけることが多いバージョンであり、私にとってはYGより上位、プラチナには一歩及ばない位置にある。とはいえ、その希少性は際立っており(プラチナが50本に対してこちらは24本)、サザビーズでは未記入の証明書とともにオリジナルのタグなど、多彩な付属品が揃った状態で提供される。推定価格は15万〜30万スイスフラン(日本円で約2635万~5270万円)。詳細はこちらから。

ホワイトゴールド製のトゥールビヨン“プール・ル・メリット” ブルーダイヤル(No. 102/150)

Tourbillon PLM Blue
Image: courtesy of Phillips

最後に、サザビーズとは別の会場であるフィリップスが、もう1本の希少なトゥールビヨンPLMを出品した。この個体(150本中102番)はWGにブルーダイヤルを備えており、19本のみ製造された特別なモデルだ(20本目のWG製PLMはブラックダイヤル仕様で存在する)。そのため、このWG×ブルーダイヤルはPLMのなかでも特に希少で人気が高いバージョンのひとつと言える。補足として説明しておくと、今回のWGと前述したPGモデルはどちらも150本限定のナンバーが振られているが、この150本という数は、すべてのゴールド製PLM(さまざまなタイプとダイヤルの組み合わせ)を含む総製造本数を指している。フィリップスによると、その内訳は以下のとおりだ。

18KYG: 106本(Ref.701.001/Ref.751.001/Ref.701.301)
18KWG: 20本(Ref.701.007)
18KPG: 24本(Ref.701.011)
プラチナ: 50本(Ref.701.005)
スティール: 1本

フィリップスによると、WG×ブルーダイヤルの組み合わせがオークションに登場したのは過去に1度だけで、私も11年前に取り上げている。いやはや、ずいぶん長くやってきたものだ。

とにかく、今回の推定価格は15万〜30万スイスフランだ。詳細はこちらから。

トゥールビヨンPLMの価値と収集性に関する簡単な考察
PLM Tourbilon
ここまで読んで伝わっているかもしれないが、私はこれらの時計の価格動向を常に細かくチェックしている。すべてのモデルでだ。YGモデルも例外ではなく、C24(Chrono24)で今まさに3本出ているものの、通常は簡単には手に入らない。最近では価格が大きく変動しており、今の市場は売り手の希望価格と買い手の提示価格の差が非常に広がっている時期だと思う。

現在の状況はほかの多くの市場と変わらない、今や存在しない市場環境にしがみつこうとする人もいれば、現実に即した取引をしたい人もいる。過去12カ月で何本か出品されているトゥールビヨン“プール・ル・メリット”の特別モデルに対して、ディーラーが40万〜50万ドル(日本円で約6160万~7700万円)の価格を付けている状況も同じだ。これら3本が売れたあとに、彼らはその価格を妥当と感じて再出品するかもしれないし、もしくは多くの人々がこの素晴らしいヴィンテージウォッチに支払いたい価格について、現実的な再評価を行うことになるかもしれない。結局、答えを出すのは時間だけということだ。

リシャール・ミル「RM 66 フライング トゥールビヨン」

・ ロックの世界からインスパイア
・ 12時位置にフライング トゥールビヨンを搭載
・ 世界50本限定生産

 リシャール・ミルより2023年の新作として、RM 66 フライング トゥールビヨンが登場しました。RM 66 フライング トゥールビヨンは、コレクションの中でも最も贅沢な時計のひとつであり、世代、潮流、心理状態を象徴する「ホーン」を象ったハンドサインが目を引きます。RM 66 フライング トゥールビヨンのオリジナリティは、ブランドと同じように、あらゆる限界に挑戦しようとするすべての人の共感を得られることでしょう。

 リシャール・ミル スーパーコピーまず、5Nレッドゴールドのオープンワークの手が、その指でムーブメントを掴んでいる様子に目を奪われます。既存のデザインには左右されず、リシャール・ミル独自のルールに従うため、この作品の手はまるでレントゲンで映し出されたかのようです。これはRM 052 トゥールビヨン スカルに通じるもので、メメント・モリの概念が根底にあるこのモデルは、一瞬一瞬を精一杯生きる事の大切さをスカルというシンボルによって教えてくれています。同様に、RM 66 フライング トゥールビヨンは、60年代の破壊的な精神とロックンロールを鮮明に呼び覚まし、激しいビートに乗せて、そこにはかつてないほど高揚する生命の息吹が宿っています。

 ホーンのジェスチャーは、伸ばした人差し指と小指が表に現され、親指の付け根の指節から中指、薬指が押さえられた様子が時計の裏側から見えるようになっています。クリエイティブディレクターのセシル・グナによって考案されたこのモデルでは、まず手の5本の指を削り出した後、エングレーバーの手に渡り、手作業で仕上げられます。ジュネーブのエングレーバー、オリヴィエ・ヴォーシェの手で、バリ取りと研磨という長期にわたる丁寧な作業により骨の輪郭が浮き彫りにされ、マイクロブラスト仕上げにより繊細な関節部分が強調されています。スーパーコピー Nランク代金引換専門店。

 手巻きキャリバーRM66は、72時間のパワーリザーブを備えた高速巻き上げ香箱を6時位置に、トゥールビヨンを12時位置に配置した、ブランド初の構造を採用しています。最大の透明性を確保するため、グレード5のチタン製ムーブメントは、手のラインに沿って高度にスケルトン化されています。これを可能にしたのは、スケルトン化を強化するためにリシャール・ミルが採用した類まれなる複雑な機械的ソリューション、可変慣性モーメントを備えるフライングトゥールビヨンです。トゥールビヨンケージは軸の一端のみで固定され、上部のブリッジを排除してキャリバーの優美さを視覚的に際立たせています。しかし、この賭けは非常に危険なものでもあります。というのも、リシャール・ミルの耐衝撃性テストは、ウォッチメイキング界の中でも最も厳しいもののひとつであるからです。ムーブメントを180度反転させた異例の配置は、トゥールビヨンのバレエのような美しさを誇らしく表現しています。

 RM 66 フライングトゥールビヨンにロックの世界観を取り入れるには、かなりテクニカルな工夫が必要でした。実際にケース部門では1500時間の研究開発と9ヶ月に及ぶ作業が行われました。例えば、ギターのピックのような形状のインデックスはチタン製で、尖ったアーチ状に引き伸ばされています。チタンでは難しいのですが、マイクロブラストを完璧に行うためには、まずこの部品を研磨する必要があります。そして各インデックスは、チタン製のベゼルにネジで固定されます。もちろん、ブラックガルバニック処理の前に面取りされたベゼルのエッジを磨くことも、非常にデリケートな作業であることは言うまでもありません。

 グレード5チタン製のリュウズは、ゴシック風の造形部分がルビーを抱くクモの形をしており、円形のブラックラバーガスケットを採用するなど、細部にまで徹底した配慮がなされています。このメカニズムを組み立てるのは非常に困難な作業でした。エングレービングされたスカルキャップは、RM 052 トゥールビヨン スカルを連想させます。トルクリミットクラウンは香箱の張力が最適になると自動的に外れるようになっており、巻き上げ過ぎの心配がありません。

「開発から完成まで200時間以上を費やしました。さらにリュウズ1個の加工・仕上げには12時間を要します。チタンの研磨は、ゴールドやスチールの研磨よりはるかに難しいのです。それだけでなく、研磨によってリューズがズレないように保持することも難しく、特殊な部品を使って内側から固定しなければなりませんでした。このように、このリューズの制作には巧みな錬金術が必要なのです」と、ケース部門のテクニカルディレクターであるジュリアン・ボワイヤは説明します。

 このケースは、カーボンTPT®の質感とゴールドの高貴な輝きのコントラストを演出しています。サテン仕上げのピラーとポリッシュ仕上げの面取り部分を持つグレード5のチタン製ミドルケースには、5Nレッドゴールドのプレートが挿入されています。このプレートには「クル・ド・パリ」模様が施され、機械加工後にハンドポリッシュを行い、パンクベルト特有のシャープなエッジを表現しています。

 世界50本限定のRM 66 フライング トゥールビヨンは、細部に至るまで目を見張るようなダイナミックなタイムピースで、その独創的な精神とブランドに対する忠誠を表現した魅力的なモデルです。

RM 66 FLYING TOURBILLON
RM 66 フライング トゥールビヨン
Ref:RM66
ケースサイズ:42.70×49.94mm
ケース厚:16.15mm
ケース素材:グレード5チタン、5Nレッドゴールド
防水性:50m ストラップ:ラバー
ムーブメント:手巻き、Cal.RM66、約72時間パワーリザーブ(±10%)、17石
仕様:時・分表示、フライング トゥールビヨン、カーボンTPT®製ベゼル
限定:世界限定50本
価格:151,800,000円(税込)